第21回「深夜2時にコンビニ飯を爆食してネムルバカ」/酒飲み独身女劇場 ハッピーエンドはまだ来ない㉑
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街がぐっすり眠りについた頃、わたしは起きる。 静かすぎる夜に響くのは、コンビニの袋のかすれる音と気の抜けた鼻歌。
深夜のコンビニ帰りはいつだってご機嫌だ。 歌っていても誰にも気付かれない。
大学時代から決まって帰り道は、きのこ帝国が聴きたくなる。わたしだけの時間が、そこにあるみたいな気持ちにさせてくれるから。
350mlの缶ビールと夜の散歩。 夜はいつも感傷的になりがちなので、今日は“帰り道の金木犀”というビールを選んでみた。 どこまでも続いていそうな夜だけど、時計の針は止まらない。 ホットスナックたちが冷めないか心配で、いつの間にか小走りになっている。
家に着いたら、まずはアメリカンドッグを出来立てのうちに。ケチャップとマスタードが溢れそうなくらいかけてかぶりつく。
しょっぱいと思いきや、生地はパンケーキみたいに甘くて、二世帯住宅になっている。串に残るおしりのカリカリの部分がたまらなく好きだ。 こんな夜中にコンビニ飯を食べるのは、許されないことだとわかっているからこそ、悪いことをしているみたいでワクワクする。
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