作家やクリエイター、お笑い芸人、音楽アーティストなど、多彩なジャンルで活躍する人たちが、心に残る一冊をセレクトして、自身の言葉で紹介! 本を選んだ理由やそれぞれならではの視点を通して、本との新しい出会いや、読書の楽しみを届けます。

「なんで誰もわかってくれないの」
「どうして、誰も助けてくれないの」
そんなふうにいつも思っていた。
落ち込んだ時、問題が起こった時、私は誰かに頼ることが多い。しかし、いつも友人に話に付き合ってもらうのは、罪悪感を抱くこともあったし、誰も捕まらなかった時、その不満の矛先が別の誰かに向かうこともあった。
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そんな私にとって、橋本翔太さんの書籍『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』を読んでいて出会った「わたしがわたしを助ける」という表現はとても新鮮に響いた。
引用----
あなたがうまくいかないこと。
あなたが問題を繰り返してしまうこと。
あなたがなかなか解決できないこと。
これらに、じつは大きな「意味」と「目的」がある──。
そして、その「意味」と「目的」とは──。
あなたを守ること。
そういわれたら、どんな気持ちがしますか?
いまはまだ信じられないかもしれません。
じつは、あなたが抱えている問題、悩みは「あなたを守るために」存在しています。
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(p11引用)
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人は多かれ少なかれ、問題を抱えていると思う。
私ももちろんその一人だ。そして問題に直面するたび、自分がダメだからだ、と自分を責めたり、運が悪かったからと片付けたりすることもあった。
だから、最初は「あなたが抱えている問題、悩みはあなたを守るために存在している」なんて言われてもピンと来なかった。
しかし、本書によると自分に起こっている問題は、自分の中のもう一人の自分である、「ナイトくん」が関係しているというのだ。といっても、ナイトくんは敵ではなく、心の防衛隊で、自分自身を不器用に、そして必死で守ろうとしているのだという。
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本書では、いくつかの具体的な問題を例に挙げつつ、その問題を抱える心理、どうしてそれが「自分を守るために存在している」のかが解説されている。
例えば、片付けられない人の心理について、「ナイトくんがわざと片付けないように仕向けている」というのだ。
人によって、視覚的に分かりやすく散らかすことで、抱えている本当の不安や焦燥感を表に出さないように問題をすり替えていたり、親に「片付けなさい」と言われたりした過去が関係していて、自分の自由にしたいという気持ちからあえて片付けない場合もあるようだ。
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「断捨離で人生はうまくいく」みたいな言葉は見たことがあるし、部屋を片付けないことによって心を逆に守っていることがあるなんて、驚いた。
私自身も、たまに部屋が少し荒れてしまうことがある。そんな時、片付けられない私はダメな人間だ、そう信じて疑わなかった。けれど、自分の心を守るという視点で深掘りしてみると、もしかしたら、「誰かに気づいてほしい」という心理が働いていたのかもしれない。部屋を散らかすことによって、「休みたい」だったり、「誰かに頼りたい」「自分を労ってほしい」という心理が働いて、無意識に散らかしたままにしていたのかもしれない。実際そんなとき、親に電話で「今散らかってるから少し部屋片付けるの手伝って」とお願いすることもあった。
「やる気がない」問題についての項目も目から鱗だった。
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やる気がない=単に面倒くさいからやらないというよりも、確かに、自分を守るためにやらない選択をしている側面もあったと思う。
初めて小説を書いた時、ずっと書きたいと思っていたのに、いざ書こうとするとなかなか筆が進まなかった。その背景には、「誰かに馬鹿にされるかもしれない」「書き終わって、自分の才能のなさに気づきたくない」などの不安を持っていたはずだ。そんな自分を守り、恐怖を覆い隠すための「やる気がない」だったのかもしれない。
一見、ネガティブな問題が出てきた時でも、それは自分の本心、本当の声を聞くチャンスなのだ。
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本書では、もう一人の自分である「ナイトくん」とうまく付き合うための実践的なワークの仕方も収録されている。自分は一人しかいないし、自分の中に隠された本当の声を聞くなんて難しいと思う人もいるだろう。そのために世の中には問題を客観的に整理するのを手伝ってくれるカウンセラーがいるのかなとも思う。しかし、「ナイトくん」を意識すると、自分一人でも、その声を受け取りやすくなるかもしれない。
引用----
「問題があるということは、心がちゃんと機能しているから」
しかし、繰り返しお話ししているように、問題があることにも、ちゃんと意味があって、その意味の多くが心を守るという防衛の働きです。問題の裏側を見ると、ちゃんとあなたのために、働いてくれている面があるのです。(p110引用)
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問題があること自体が、今までさまざまな経験を重ねてきた証とも言える。
問題がないこと=幸せ、いい人生、というわけでもないのだと思うと少し心が軽くなる。
問題が起きた時、嘆いたり、自分を責めてしまったりする前に、「私は何から自分を守ろうとしているんだろう」とこれからは自分の中の「ナイトくん」に問いかけてみたい。
文=モモコグミカンパニー
◆モモコグミカンパニーさんが紹介した本
『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(橋本翔太/サンマーク出版)
【著者プロフィール】
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モモコグミカンパニー

2015年 BiSHのメンバーとしてデビュー
2016年1月 メジャーデビュー[楽曲の作詞を手掛ける]
2023年6月29日 東京ドーム「Bye-Bye Show for Never」をもって解散
グループ在籍中の2022年に小説家としてデビュー。
現在も音楽活動や、作家としての執筆活動など多岐にわたって活動中。
TikTokアカウント「モモコグミカンパニーの本棚📚」で、気になった書籍を紹介している。
写真集『死にぎわ』(仮)を制作中。
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制作過程についてnoteで発信している。
https://note.com/companynote_0904
11月7日(土)に本屋B&Bさんで、伊藤亜和さんとの対談イベントがございます。
https://bookandbeer.com/event/bb1107/
来場チケットはすでに受付終了しておりますが、配信があります。
気になる方は是非、配信をお楽しみください。
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