※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年11月号からの転載です。

「心が冷静でいられなくなるぐらいハマりました。それまで僕が読んできたマンガにはない世界観だったのも、理由のひとつかもしれないです」
かつて、世の常識を覆した地動説。その証明を唱え続けてきた人々の長きにわたる物語。萩原さんは「生きることの意味など哲学的なことも考えるきっかけになりました」と語る。
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「第1巻から衝撃を受けました。世渡り上手で、優等生として生きてきた少年・ラファウがタブーの地動説に魅了され、美しい新説を守るために自死を選ぶ。その瞬間、この作品の主人公は〈地動説〉であり、そこに人生を賭した人たちの〈信念〉だと気づきました。それゆえ、ノヴァクの視点で物語を見ると、また違った面白さが感じられるんです」
地動説の研究は神に背く行為だ。そのため、異端審問官のノヴァクは彼らの命を容赦なく奪っていく。
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「ノヴァクは自分の正義のもとに行動し、間違ったことはしていない。ヒールとして描かれていますが、生き方には憧れます。今、僕の中で大事にしているのが、自分の好奇心に嘘をつかないということなんです。心が動くことで生まれるエネルギーを大事にしたい。この本は、自分に向けたエールのようにも感じました」
そんな萩原さんが、「未知な役柄だけに演じてみたかった」と話すのが、映画『RYUJI 竜二』で挑んだ直役だ。柳楽優弥さん演じるヤクザ・竜二の舎弟であり、「実直で忠誠心も強く、裏表のない男」と語る。
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「直にとって竜二さんは師であり、精神的支柱に近い。彼の行動理由には、つねに“竜二さんのために”という思いがある。そこまで心酔できる相手がいるって羨ましいですよね」
社会から外れた道を選びながらも、不器用にしか生きられない。それは竜二も同じだ。
「竜二さんは恋人と家族を持つ夢を抱き、自分にとっての幸せを考え始める。そのことで、二人は別々の未来を歩き出すも、なかなか上手くいかない。そんな姿を見ていると、やはり人は、一人では生きていけないのかもしれないなと強く感じました」
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物語の舞台になっているのは任侠の世界だ。しかし、「描かれているのは人間ドラマなんです」と萩原さん。
「直と竜二さんの関係性も、言ってみれば家族のようなもの。そうした、人間が持つ温もりや心の機微が繊細に表現されている。だからこそ、そこに任侠という“非日常”が加わることで、観たあとに、今までにない感覚が残るのではないかと思います」
取材・文:倉田モトキ 写真:TOWA
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ヘアメイク:KUBOKI(aosora) スタイリング:古川水桜 衣装協力:ジャケット 22万円、シャツ 3万3000円(ともにポール・スミス /ポール・スミス リミテッド ☎03-3478-5600)、リング3万4100円(ガルニ/ガルニ トウキョウ ☎03-3770-4554)、 その他スタイリスト私物 *すべて税込
はぎわら・りく●1999年、埼玉県生まれ。2019年、ドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』で連続ドラマ初主演。21年・23年のドラマ&映画「美しい彼」シリーズで注目を集める。最近の出演作に、映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』『花緑青が明ける日に』、ドラマ『救命病棟24時』など。
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『チ。―地球の運動について―』(全8巻)
(魚豊/小学館ビッグC) 各770円(税込)
「天動説」に背く異端思想が悪とされていた15世紀のヨーロッパ。天体観測によって発見した「地動説」にこそ真理があると悟った者たちは、自らの命を犠牲にしてでもこの説を生き延びさせるため、思想を後世へとつないでいく。希望と揺るぎない信念に貫かれた、世界中でアニメも大ヒットした壮大な物語。

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映画『RYUJI 竜二』
原作:金子正次『竜二』 監督:水田伸生 脚本:冨岡淳広 出演:柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON(BE:FIRST) ほか 配給:カルチュア・パブリッシャーズ 10月30日(金)全国公開●1983年に公開され、大きな反響を呼び、伝説となった同名作品が新たな物語として生まれ変わる。情に厚いヤクザの竜二は舎弟たちから慕われるも、恋人に子供ができたことでカタギとなる。しかし、兄弟分や舎弟たちとの再会が竜二の人生を再び脅かしていく――。
©2026「RYUJI」製作委員会
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