※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年11月号からの転載です。

戦争で親を失った子どもたちの過酷な現実を描く物語で、彼らのために奔走する記者を好演。
「映画の現場はやっぱり特別。とくに今回は第一線を走るスタッフさんばかりの恵まれた現場なので、その一員になれることが楽しみでした。同時に、子どもたちが物語の中心にいるホンを読みながら、自分が彼らにできることはなんだろうと、考えさせられましたね。自分なりの経験や知識を活かし、彼らが安心して芝居ができる環境づくりの一助になれたらと思い、役とリンクしていく感覚を覚えました」
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SOSをキャッチし、自分に何ができるかを問い続ける諸積。
「最初は記者として彼らの人生に興味をもつわけですが、収容施設の実態を知ったことから本来の正義感に火が点き、“助けたい”という気持ちに変わっていく。利用されているようにみえるかもしれませんが、諸積の行動は、彼自身の心の声に従った結果だと思います。あがり(完成作)を観たら眉間にずっと皺が寄っていて、諸積、常に困ってますね(笑)。普段から演技プランをもちこむタイプではないですけど、僕も戦争の話を祖母から聞いて育ったので。戦後の世界を自分なりにしっかり想像しながら、その時代に自分が立っている感覚を極力、忘れないように意識して臨んでいました」
琴子(小八重葵美)の仲間で幼いマー坊(渋谷そらじ)が、彼に懐くシーンが微笑ましくも切ない。
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「子どもが好きだから、子どもたちと関わる作品はいつもワクワクしますね。今回は彼らの純粋さに、僕自身の芝居が助けられる瞬間がたくさんありました。あがりを観たときも、みんなのお芝居に心を動かされ、いろんなシーンで泣かされて。とくに小八重さんは、大変な芝居だらけだったと思いますけど、音楽との向き合い方もすばらしかったです。ピアノやアコーディオン、歌のシーンからも彼女の想いが伝わって、グッときました」
取材・文:柴田メグミ 写真:鈴木慶子
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スタイリスト:李靖華
ばんどう・りょうた●1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017年にドラマ『セトウツミ』で俳優デビュー後、映画やTVドラマ、舞台で活躍。主な映画出演作に、『十二人の死にたい子どもたち』『犬鳴村』『スパイの妻』『弱虫ペダル』『ふれる。』『君の忘れ方』『爆弾』『未来』『黒牢城』などがある。翼の声を務めた主演アニメーション『我々は宇宙人』が全国公開中。

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『わたしの知らない子どもたち』
監督:西川美和 出演:小八重葵美、二階堂ふみ、坂東龍汰、櫻井海音、北村有起哉、吉田 羊、竹野内 豊 2026年日本 150分 配給:K2 Pictures 全国公開中
●戦争で家族を亡くした12歳の琴子。戦後の荒廃した東京で生き延びるために彼女が選んだのは、少女を捨て、少年として生きる道だった……。『永い言い訳』『すばらしき世界』の西川監督が、戦後直後の日本を精緻かつリアルに描く。
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