ジュークボックスから流れる正体不明の音源。この不快な曲が事故を誘発している?/右園死児報告③
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『右園死児報告』(真島文吉/KADOKAWA)第3回【全5回】
<この報告書は安全である>
『うぞのしにこ』と読む。この文字列を、人間、動物、無機物、現象などの名前に採用すると、壊滅的な被害が出る。
「右園死児に至る集団報告」は明治二五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が、規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。
X(Twitter)発の人気ホラー小説『右園死児報告』をお楽しみください。報告七号
報告案件 ジュークボックス
報告者 川谷勝(かわたにまさる)(川谷電機代表)全国のバーやクラブに置かれている川谷電機製ジュークボックスにて特定のナンバーをリクエストすると、右園死児(うぞのしにこ)という題名の曲が流れることが判明。作詞、作曲者も歌手も不明のこの曲は、川谷電機本社の設計所でしか曲名を確認できなかった。
極めて不快な曲調であったため流された回数は少なかったが、設置店舗での事故や事件の原因になったと思われ、軍によってすべての機体の回収作業が行われた。分解検証作業においてはジュークボックス内壁の経年原因以外による腐食や汚損が無数に確認された。
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