疲れきった妻を、素敵な器と夫の手料理がお出迎え。“遠距離週末婚”で暮らす夫婦の「おいしい時間」
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夫婦のカタチはさまざまである。『また来週、あなたの器でいただきます』(小川茉莉/KADOKAWA)は、“遠距離週末婚”をおくる夫婦の「おいしい時間」を描く。
田舎暮らしで陶芸家の夫と、都会で雑誌の編集者をつとめる妻。まるで正反対の環境で生活している夫婦が、隼人と優子だ。平日はそれぞれの場所で過ごし、週末には優子が隼人の元へと帰ってくる。
本作では、そんなふたりの食事の時間がなんとも印象的に描かれる。陶芸家の隼人が作った器を使い、おいしそうに食事をする優子。その柔和な表情から伝わってくるのは、ふたりが満ち足りた時間を過ごしている、ということ。一緒にテーブルを囲んでおいしいものを食べることで、離れていた時間の空白を埋めているのかもしれない。
たとえ惣菜や冷凍食品に頼る慌ただしい食卓でも、トレーから器に移すひと手間が、目にも口にもおいしさを運んでくれる気がする。料理をよそう際、色合いや季節感など、じっくり楽しみながら器を選ぶふたり。隼人の器に惣菜をよそえば、まるでレストランのように華やかになる様子に、器が持つ「彩り」の力を感じる。
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