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グレー・ラブストーリーズ 島本理生 / 筑摩書房


愛情がもたらす歪な影は、真っ黒でも真っ白でもない。ぱっきりときれいに分かれていないからこそ、世界は複雑で、生きるのは困難で、人々はグラデーションの中でもがき続ける。


島本理生氏が紡ぐ短編集『グレー・ラブストーリーズ』(筑摩書房)は、川端賞候補作となった初期作品「Birthday」を中心に組み立てられている。こちらの短編は、デビューして間もない頃、文芸誌『群像』に掲載されて以来、どこにも収録されていなかった。「読み返してみてあらためて、自分の小説の核になる祈りを込めた話だと感じました」と著者は語る。また、全作品を通して、著者がデビュー直後から追い続けてきた不変のテーマが軸に据えられている。家族の不協和音を描いた「捨て子たちの午後」、記憶が時折抜け落ちる妹の過去に迫る「壊れた妹のためのトリック」など、全6章の短編とあとがきが収録された本書は、読む者の心に鮮烈な痕を残す。


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