
35歳から60代の男女が人生“最後のパートナー”を見つける恋愛リアリティ番組『あいの里』のシーズン3が始まった。住民が家屋をリフォームしながら、共同生活をしていくというコンセプトの中で、大人たちの“キラキラしない”リアルすぎる恋愛が繰り広げられる。
シーズン3の舞台は静岡。富士山が拝める綺麗なコテージに早速8人の住民が集まった。番組内で好きな人ができたら、丘の上にある「あいの鐘」を鳴らし、自分のタイミングで思いを伝えることができる独自の告白システムも見どころだ。今回の記事では、配信されたエピソード9〜12をダイジェスト形式で振り返る。
※以下はがっつりネタバレなので、未視聴の方は要注意です!
博士とむぅこが急接近する中、しぃくんが帰ってきて……

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しぃくんと親分がいない間に、新住民の博士やワカメ、カコが登場し、里の雰囲気もずいぶんと様変わりしていた。初日にむぅこと決めた博士は、意外にも2ショットに誘ったり、彼女に遠まわしながらも想いを伝えたりと、かなり積極的にアプローチを繰り返していた。そのうえ、hideのファンであったり、神社・寺院巡りや登山が好きだったりとお互いの共通点が多いことが発覚し、2人は急速に距離を縮めていく。
そんな中で、唐突にしぃくんが里に帰ってくる。目の前で力強く抱擁するむぅことしぃくんの姿に、さすがに博士も複雑そうな表情を見せる。しかし、そんなしぃくんも内心では不安に感じることも多いようだ。里の雰囲気が変わっただけではなく、むぅこの態度もどこか硬く、2人の大切な場所だったロフトは変わっていた。
気になるのは、しぃくんが帰ってきてからのむぅこの態度だ。やきもちを焼いたり、しぃくんを試すようなことを言ったり、見ていてちょっと心配になるような言動が増えた。そこまで感情が揺れ動くのなら、やっぱり恋愛感情はしぃくんにあるのだろうか。でも、感情の起伏が激しくなると同時に暗い表情をすることも増えたむぅこを見ていると、人生最後のパートナーを探すという点では、平静でいられない相手を選ぶのはあまりよくないのではないかとも思ってしまう。
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告白するということは“自分のことを介護してくれ”も含まれてしまうのが「あいの里」

博士としぃくんとむぅこの三角関係の横で、パクチーからえのかのに対する積極的なアプローチもまた続いている。ただ、えのかのが自分の病気について伝えたことで、パクチーは2人の人生設計に不安を感じるようになる。持病がある彼女を支えてあげたいと思う一方で、パクチーはえのかのよりも20近く歳が離れている。その問題を前にして「『俺がお前を幸せにしてやるよ』と言いたいけど、実は『俺の世話もしてくれ』という話も入らざるを得ない」というパクチーのセリフは、とても「あいの里」らしい葛藤だ。
これまでも歳が大きく離れた異性に恋心を抱いた人たちは多くいたが、ここまで年齢に踏み込んで葛藤する姿を見せたのはパクチーが初めてじゃないだろうか。これまでアンチエイジングという形で加齢に抗ってきた彼だからこそ、自分の老いにも自覚的なのかもしれない。そういったことを考えずにただ好みだからとアプローチする男性に比べたら、よっぽど誠実だと感じた。
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一方で、えのかのがパクチーに対してどう思っているのかが、彼女の表情からは全く読めない。彼からのアプローチに対して嫌悪感は持っていないようだが、常に一定の距離を保とうとしていることは伝わってくる。それはパクチーからの施術時に、最後まで「先生呼び」を崩さなかったところからもそう感じた。そしてその直後、初めて彼女はひとり涙を流す。その涙が何を意味していたのか、は最後までわからなかった。彼女はそのままリタイアして里を出ることを決断したからだ。
突然のえのかののリタイア宣言で、パクチーが激怒

住民同士で次の企画について会議をしていた最中に、えのかのは突然のリタイア宣言をした。仕事の都合で“今日”里を出ると言う。あまりの突然の発言に、住民は声を失ってしまう。
お別れ会もできないし、ルール上、リタイアを決めた相手には告白をすることもできない。
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仕事の都合でリタイアするというと、シーズン1のじょにいを思い出す。クリニック経営をしていた彼も、当時仕事との兼ね合いが難しくなり、やはり「今日ここを去ります」と突然リタイア宣言したのだった。ただし、じょにいをとりまく恋の矢印は見えていなかった一方でえのかのには、明確に彼女を想うパクチーという存在がいて、彼の度重なるアプローチを受けていた彼女は当然彼の気持ちを知っていた。だからこそ彼女の行動は残酷に映った。
パクチーは激昂する。
「納得いかないから、俺。なんで言わんのや」「わかってただろ」「そこだけ大人びたことなんか言えねえって」
そして声を荒らげるパクチーの姿に、えのかのはただ涙を流しながら「ごめん」と謝り続ける。
パクチーからしたら、告白のチャンスを奪われた、ひどい仕打ちだと感じてしまうのも当然だろう。しかし、えのかのの気持ちはもう固まっていた。これまでパクチーからのアピールに一切リアクションをしていなかったがえのかのの本心は誰にも分からないかたちになった。とはいえ、最後まで悩む素振りを見せていたり、パクチーに手紙を残していたり、彼女なりの優しさや気遣いは確かにあった。そして、最後に髪を切ってほしいという頓珍漢な願いをするパクチーに笑ってしまうが、それも彼なりの優しさなのだと思うと、また少し切なくなる。今回は結ばれなかったが、今後彼の愛情深さを良いと感じる女性が現れてほしいと願うばかりだ。
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告白前夜、しぃくんと博士が激突

えのかのが去り、パクチーの恋はあっけなく終了した。そして、むぅこを巡る博士としぃくんの三角関係も急速に動き出す。しぃくんが鐘を鳴らしたのだ。
ロフトの上で2人で隠れて夜ごはんを食べる、というロマンチックなシチュエーションの中で、彼はむぅこをひとりロフトに残して鐘を鳴らしに行く。初めて会ったときからの2人の軌跡だけを見れば、当然告白は成功して2人で去っていくのだろうと誰もが思うだろう。しかし、彼が里にいなかった期間に博士が来たことで状況は大きく変わっていた。
そして告白前夜、しぃくんと博士は衝突する。しぃくんの告白に至るまでの経緯がふわふわしているように感じた博士は、本当に幸せにできるのかと問い詰める。それに対して、「恋愛って2人でするものなんだよ(だからわからない、断言はできない)」と返し、博士は「幸せにできるかどうかはひとりの問題じゃない?」と引き下がらない。
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2人とも真逆のことを言っているようで、「相手が幸せと感じるかどうかは、本人しかわからない」という根本的な考え方は一緒である。ただし、しぃくんは「相手の気持ちがわからないからこそ、自分の行動が正しいかどうかわからない」という慎重なスタンスである一方で、博士は「わからないなりに自分が幸せにできると思っていることをするしかない」という割り切ったスタンスであり、そこの違いに2人の埋まらない溝がある。これはもう、どちらが正解とかではなく、価値観の違いでしかない。その上で2人のあくまで相手に対して誠実であろうという姿勢は共通しているように感じた。
祝!博士とむぅこがシリーズ初の結婚組に

結果として、むぅこはしぃくんからの告白を断った。その断り文句が良かった。むぅこはしぃくんに対して「しぃくんが悪いのではなくて」「自分に好きな人ができた」という言い方をしたのだ。それはしぃくんの病気が彼と付き合えない理由にはなっていない、というメッセージも込められていただろうし、同時に博士に対しても間接的に「夢が叶えられるという打算的な理由じゃなく、恋愛として好きになったんだ」というメッセージにも受け取れる。2人に対してむぅこの最大限の優しさと気遣いを感じ取れる表現だと思った。
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そしてしぃくんが帰ったあと、むぅこは鐘へと走り出す。ここまで答えがわかり切った告白というのも初めてだ。しかしそんな告白に対して、博士は誰も予想していなかった返答をする。里を出て問題がなければ、結婚をしてくださいと正式に申し込んだのだ。博士はどこまでも現実的で、最初から里を出たあとの話ばかりしていた。でもまさか告白にプロポーズで返すとは。そして、本当に結婚してしまうとは。
その後に流れた後日談の映像では、博士の家の食卓で幸せそうに微笑み合う2人の姿が映っていた。婚姻届を提出し、ウェディングフォトを撮る(なんとむぅこのメイクは先に里を出たキャッシーがやってくれた! ここでもう泣けてしまう)。想定以上のスピードで全てが進んでいくことに呆気に取られつつも、博士は最初から里を出たあとの話ばかりしていたなと思い出す。一度死を間近に経験した博士だからこそ、自分が本当に望むことがクリアになったのかもしれない。
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むぅこが明かした、博士が「見つけるのに50年もかかっちゃったよ」と言ってきたというこぼれ話も愛らしくてほっこりする。支えることが生きがいだったむぅこが、これからは博士からの愛を一身に受けることができるのが、自分のことのように嬉しい。今週はとても後味の良い終わり方だった。(パクチーだけがちょっと心配!)
文=園田もなか
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