
35歳から60代の男女が人生“最後のパートナー”を見つける恋愛リアリティ番組『あいの里』のシーズン3が始まった。住民が家屋をリフォームしながら、共同生活をしていくというコンセプトの中で、大人たちの“キラキラしない”リアルすぎる恋愛が繰り広げられる。
シーズン3の舞台は静岡。富士山が拝める綺麗なコテージに早速8人の住民が集まった。番組内で好きな人ができたら、丘の上にある「あいの鐘」を鳴らし、自分のタイミングで思いを伝えることができる独自の告白システムも見どころだ。今回の記事では、配信されたエピソード1〜8をダイジェスト形式で振り返る。
※以下はがっつりネタバレなので、未視聴の方は要注意です!
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綺麗なコテージ、豊富な食材……なんだか優雅な「あいの里」がスタート

これまでの「あいの里」は、最初にボロボロの古民家を住める状態まで戻す必要がある上に、一日あたりに使える食費の上限額も決まっているなど、かなり厳しい環境下での共同生活が特徴としてあった。
しかし、シーズン3はちょっと違う。富士山を望めるコテージは、外観からして可愛らしく、内装も家具などは少ないものの、モデルルームのような綺麗さである。外で栽培されるのはイタリア野菜で、生活費の上限金額も前回より200円アップ。住民たちは初日から手の込んだイタリアンを作り、お洒落なダイニングで舌鼓を打つ。旧豚舎のリフォームが終わるまで、男女同じ部屋で雑魚寝をして、ししゃも一匹と白米だけで食事を終わらせていたシーズン2とは別番組である。もう6Pチーズを一口で食べたかどうかで諍いが起こることはないのだ。
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そんなシーズン3で最初に登場した住民は、男女合わせて8人。女性は、元CAの親分(59歳)、メイク講師のキャッシー(54歳)、児童養護施設で働くむぅこ(38歳)、エステティシャンのえのかの(41歳)の4名、そして男性は外科医のバロン(56歳)、不動産管理業とモデル業をしているKEI(48歳)、マッサージ師のパクチー(61歳)、動画配信業をしているしぃくん(39歳)の4名だ。

やはり「医者」の肩書は強いのか、序盤から親分とキャッシーがバロンにロックオン。早々に恋愛が動き出す。
まさかのアンチョビが「住民」として登場

そして今回のサプライズとして、シーズン2に引き続き登場したアンチョビが、まさかの恋愛アドバイザーではなく住民として参加することになる。とはいえ、「限られた日数の中でアンチョビに好意を持つ女性が現れたら残留することができる」という条件付きであり、あくまで仮住民という立場ではある。シーズン1では若手組だったアンチョビも年を重ね、経営していたお店は閉店し、駅まで徒歩60分というアクセスが悪い一軒家で一人暮らしと、だいぶ状況が変わっている。しかしマイペースな性格はそのままで、それが今回は他の住民の不興を買ってしまう事態になるのだった。
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とにかく部屋で愚痴ばかり話すアンチョビに、男性陣はうんざりしていた。アンチョビ残留が決まった祝いの場の飲み会で、酒を飲んだパクチーはアンチョビに彼のひどい態度について指摘する。その場はそれで終わりそうだったが、その後えのかのと一緒に抜け出してアンチョビの愚痴を言い合っていたしぃくんの怒りが、何故か急激にヒートアップ。気が付けばディレクターに声をあららげて迫る始末になってしまう。そしてその様子を見ていたバロンは、他の住民たちに「ディレクターの胸ぐらをつかんでいた」と盛って話してしまい、さらに話はややこしくなっていく。
バロンの言葉を信じたむぅこに対して、彼女に想いを抱いていたしぃくんは「自分への理解が足りていない」ことに対して怒りを見せる。一方でそんな彼に「ケンカしたいの?」とむぅこも好戦的な態度で切り返す。最年少同士で恋愛が進みそうだった2人がここで決裂してしまうのであった。
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しぃくんは、児童養護施設で働くむぅこに対して「子どもを愛する優しい女性」という理想のイメージを抱いていただけに、ケンカを買おうとしてきた彼女にガッカリしてしまったという。しかし、一視聴者の立場から見ていると、むしろむぅこはしぃくんに対してどこか子ども扱いしているような態度を取っているように見えた。
怒りで我を失っている彼に対して、冷や水を浴びせているように見えたのだ。実際、彼女はその後のしぃくんの態度を「試し行動」と見なすなど、彼のある一面を冷静に見極めているように思える。立場上、似たような態度や言動を取る子どもたちを多く見てきたのだろう。
これまでも大人同士の怒りのぶつけ合いは見ていたが、多くは「あいの里」らしいというか、ちょっと間の抜けた感じだったから見ることができていた。誰に対してもにこやかに陽気に振る舞うしぃくんの見せたある一面に、筆者も見ていて(悪い意味で)ドキドキしてしまったのが事実だ。そんなしぃくんに対して、むぅこから和解しようと試みる。愛情深いむぅこだからこその行動なのかもしれないが、ちょっと不安になる関係ではあった。
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「ほんとにこの人鐘鳴らす気ある?」→速攻鳴らしました。
というわけで、アンチョビの登場とともに不穏な空気が漂い始めたあいの里だったが、それも彼が最初に鐘を鳴らしたことで一応はひと段落することになる。最初こそ「ほんとにこの人鐘鳴らす気ある?」「配信されたいだけなんじゃないの?」と女性陣の不信感を買っていたアンチョビ。しかし、住民と視聴者の予想を裏切り、今シーズン最初に鐘を鳴らした男となる。告白を泣きながら聞くむぅこに対して「泣いているから(自分のことを)良い風に思っていると思っていて」とそのまま言ってしまうところが彼らしい。
結果的にむぅこは告白を断り、アンチョビは一人で帰ることになったが、彼が数日いただけで今回の住民の色んな顔を見られたのは素直にすごいと感じた。最初こそ社交的な人たちの平和な集まりのように見えていたが、やはりそこは「あいの里」。いろんな人生経験を積んできて、いろんな背景を背負った、クセの強い大人たちの集まりなのだ。これまでのシーズンと違って最初から快適な舞台が用意されていた分、そういった本性の部分が見えにくかったのかもしれない。突然のアンチョビという台風のような存在の到来で、平静ではいられなくなった住民たちの姿を見ながら、俄然これからの人間模様が楽しみになっていた。
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そして、改めて実感する。私が「あいの里」に求めているのは、“大人によるオトナな恋愛”ではなく“大人による大人げない恋愛”なのだと。
むぅこと博士としぃくんの三角関係はいかに……

「あいの里」の住民はいつだって気が付けば人間むき出しで恋愛に立ち向かっていく。異性として恋焦がれる気持ちと、それだけでは解決しない婚姻歴や既往症、子どもの存在、本人たちの介護問題、社会的な立場、そういったものとの板挟みの中で取捨選択を強いられたら、誰だって平静ではいられない。つくづく特殊な恋愛リアリティだと思う。
そしてそれは、新たな住民である博士の登場により、より顕著になっていく。
しぃくんに恋心を抱きつつも、彼と一緒に暮らすことで「養育里親になる」という自分の夢を諦めないといけないかもしれない(難病を抱えていて体調が不安定な彼と暮らしながら里親として子育てをするのは、確かに現実的ではないかもしれない。加えて彼ははっきりと「むぅこより長くは生きない」と言っている)、という事実にぶつかり悩んでいたむぅこの目の前に現れたのが、医学博士であり矯正歯科のクリニックも経営する博士だった。
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出会った瞬間にむぅこに恋していた博士は、彼女の夢を一緒に叶えたいと話す。しぃくんのような強引さがない分、恋のトキメキのようなムードは彼には感じないが、落ち着いていて、優しく、経済的にも安定していて、彼女の夢に共感してくれる彼は、条件でいえばこれ以上ないほど完璧だ。
果たしてむぅこはしぃくんと博士、どちらを選ぶのか(もしくは、どちらも選ばないのか)、その行く末はまだわからない。そして、クセの強すぎる恋愛テクを披露することで最早ネタキャラ化しつつあるパクチーも、どうやら予告を見る限り来週はかなりの修羅場を迎えそうだ。綺麗なコテージで豊かな食生活とともに始まったシーズン3は、むしろだからこそ恋愛に全力投球で悩みもがく大人たちの姿を見ることができるのかもしれない。
文=園田もなか
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