
将来の夢は公務員、真面目に生きて平穏な人生を送ることを望む男子高校生の鞠茂参吾(まりもさんご)には、どうしてもその静かな生活ができない大きな理由があった。三つ子の三男である参吾のふたりの兄たちが超人気芸能人だからである。『まりも兄弟の茶飯事』(蔵人幸明:原作、イトノコ:漫画/秋田書店)は、自宅でも学校でも気苦労の絶えない参吾のドタバタな日常を描いたコメディである。
三つ子の長男は、若手人気芸人として活躍する苺。次男は、タレントや俳優としても活躍する国民的アイドルグループのメンバーであるNi・Go。3人はそれぞれ別の高校に通い、兄弟であることを秘密にしている。忙しい母親に代わって、ふたりのお弁当を作るなど何かと世話を焼く参吾は、兄弟でありながらそれこそ母親か、マネージャーのような役割を持っていた。
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そんな兄ふたりと離れられる外では平穏に過ごせるかと思いきや、そうはいかない。学校ではクラスメイトの口から苺やNi・Goの名前が出て、「似ている」と指摘されてはヒヤヒヤする。さらにある日、Ni・Goがテレビ番組のロケで参吾の高校へやってくることになり、人気アイドルを見られるとあって学校中が沸くなか、兄弟であることを隠したい参吾はさらにヒヤヒヤ。どうにか目立たずに暮らしたい本人の願いとは裏腹に、兄たちが次々と騒動を運んでくるのだ。
そんな参吾だが、ただ地味ではないのが面白い。兄の芝居の練習やネタ合わせに付き合ってみると、本人も気づいていなかった意外な才能を見せることも。華やかな世界で活躍するふたりと比べれば個性がないように思えるが、兄たちとのやり取りを重ねるほど、参吾の魅力も見えてくる。
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芸能人ならではの騒動に振り回される参吾の苦労に笑わされつつ、なんだかんだ仲のいい3人の姿に頬が緩む。さらに、参吾とクラスメイトの美少女とのやり取りも気になるところだ。2026年11月6日に第11巻が発売。三つ子が巻き起こす愛らしくておかしな「茶飯事」を楽しんでほしい。
文=ゆくり
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