ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年11月号からの転載です。



2022年本屋大賞を受賞したデビュー作『同志少女よ、敵を撃て』、第2作『歌われなかった海賊へ』では第二次大戦下のヨーロッパを舞台に、戦争と真正面から向き合った、逢坂冬馬。作風を変化させた第3作『ブレイクショットの軌跡』では、1台の自動車を軸に、戦争のリアルが社会に忍び込む現代日本のありようを連作形式で克明に綴ってみせた。最新作『その犬をください』の鍵となるモチーフは、犬だ。


「自分がまだ語っていない歴史の領域として、近代日本の存在は常に頭の中にありました。日本の戦争はいったいどういうものだったのか、日本の近代とは何だったのかについて語ってみたい、と以前から思っていたんです。ただ、あまりにも大きすぎるテーマなので、なんらかの切り口を見つけて、視座を限定する必要があった。無数に候補がある中で辿り着いたものが、犬でした」


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