同級生とバンド活動をしている高校2年生の花音と、人気バンドのギターボーカルで天才的な才能から注目を集める高校1年生の伊吹の恋愛模様を描いたラブコメ漫画『落雷とメロウ』(星影/白泉社)の第1巻が発売された。
主人公はお嬢様学校に通う優等生でありながら、大型フェスを目指す異色キャラ
主人公の花音は、お嬢様学校に通う優等生でありながら、大型フェスに出場するという夢のために音楽活動を続けている。親の目を盗んで夜に家をこっそりと抜け出し、一人で路上ライブをするほど、彼女は真剣だった。そんな彼女の路上ライブ中に現れたのが、人気バンドで同じくギターボーカルを担当している伊吹だった。
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初対面で「下手くそ」と酷評してきた伊吹に激怒する花音だったが、その後舞台上での彼の天才的なパフォーマンスに心奪われ、気が付けば彼に練習を見てほしいと迫っていた。
花音がそれだけ音楽に一生懸命で、どこか切実そうに見えるのは、彼女の家庭環境にも理由があった。花音の母親は教育熱心で厳しく、娘の音楽活動を良く思っていない。娘がバンドをやるのは、母親にとってあくまで“お遊び”で“思い出づくり”でしかないのだ。そして、花音はそんな母親に面と向かって逆らうことはせず、帰宅後は家で勉強をしながら、夜は親の目を盗んで家を抜け出して練習やライブに向かうという生活を送っていた。
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そして、そんな彼女のひたむきでストイックな姿勢を目の当たりにした伊吹は、彼なりに彼女を手助けするようになる。相変わらず口は悪いものの、彼のアドバイスを参考にした動画はオーディションを通過し、彼との練習を通して花音は自分らしく、誰かに届くような歌が歌えるようになっていく。
音楽を通じて縮まる2人の距離
音楽を通じて、2人の距離もゆっくりと縮まっていく。普段生意気で口が悪い伊吹が、たまに見せる“デレ”にも胸キュンが止まらない。それを狙ってやっていないのがまた良いのだ。例えば、突然花音にしたバックハグも、好意があるからやったんじゃなくて、自分の楽器を守ってくれた彼女に感謝したいが素直にできない彼の精一杯の表現なのだと思うと、たまらなく愛おしく感じる。
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お互いに抱えている背景は違うものの、音楽に向き合う真っすぐな姿勢は同じだ。だからこそ2人は惹かれ合うのかもしれない。物語が進んでいくにしたがって、花音がなぜこれほどまで一生懸命に音楽をしているのか、そして伊吹がどうして音楽を始めたのか、2人のルーツが明らかになっていく。知れば知るほど、彼らが出会ったのは運命だと感じる。
出会いこそ最悪だったものの、気が付けば信頼し合える関係になった2人。そして、少しずつ花音を意識し始めている伊吹。音楽のことで頭がいっぱいで鈍感な花音との対比がまた良い。当初は4話構成だった予定が、8話になったということで、物語は2巻へと続いていく。わがままを言うなら、この2人のラブコメをもっともっと長く読んでいたいと思ってしまう。それくらい、眩しくてキュンキュンが詰まっていて、胸がいっぱいになる作品だった。
文=園田もなか
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