堕ちたら抜け出せない恋の沼。切なくてエモい恋愛オムニバス漫画『この夜につなぎとめられるだけの愛を込めて』をレビュー
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叶わない恋ならば、こんなに苦しいならば、いっそ好きにならなければ良かった。そんな恋愛の苦しさをオムニバス形式で描いた『この夜につなぎとめられるだけの愛を込めて』(あめみくろ/KADOKAWA)。切なくてエモい恋模様が読者の胸に刺さり、SNSを中心に多くの共感の声を集めた。
本作では、恋の沼に堕ちた様々な女の子たちが登場する。体だけの関係と割り切っていたのに、気がつくと好きになっていた…セフレに恋をしてしまう女の子。心だけはつながれない曖昧な関係でも、好きだから一緒にいたい切ない葛藤が描かれる。その他にも、好きな人からの「かわいい」「似合ってる」の言葉に期待するが、振り向いてはもらえない女の子や元カレへの未練を断ち切れず、戻れない過去から進めない女の子、元カノを忘れられない男の子の話も描かれる。恋の形や状況は様々だが、みんな叶わぬ想いを抱えながら生きているのだろう。期待と失望の温度差は、読んでいて胸が苦しくなる。
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