飼い主を英国紳士に仕立て上げるのは、愛猫!?猫と紳士の微笑ましい暮らしを描いたコミック『グッドモーニングレオン』をレビュー
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『ご恩は一生忘れません』の作者・北郷海先生が手掛けた『グッドモーニングレオン』(北郷海/フレックスコミックス)は、英国紳士のレオンとその愛猫ジャックの日々を描く作品である。一見、淡々とした日常生活を描いているかのようだが、テンポの良いコミカルな表現で読み手を惹き込ませてくれる。
シャム猫のジャックは、飼い主であるレオンの容姿や健康を気遣うために、朝早くから彼を叩き起こし、お世話をしている。迷惑がられているのもお構いなしで強引に行動し、無事に身だしなみを整えたレオンが出掛けるのを満足げな表情で見送るジャックの姿が微笑ましい。
外では紳士の印象を持たれているが、寝起きは「ただの小汚いおっさん」とジャックから評されるレオン。ギャップ萌えが好きな私には堪らない設定だ。ジャックの行動に困惑しているレオンだが、職場の大学にいる間も「帰ってジャックを撫でたい」と考えていたり、立ち寄ったカフェの看板猫がマフラーを巻いてる姿に触発されて自らジャックに手編みのマフラーを作ってあげたりと常にジャックを想い大事にしていることがエピソードの端々から窺える。1巻に収録されている彼らの出会いのエピソードでは、どちらからもお互いの過去が垣間見える。それを知るとより彼らの日常が愛おしく感じられるだろう。個人的にも大好きで推したいエピソードだ。ちなみにこのエピソードは、2巻から始まる過去の深掘りにつながるので注目してもらいたい。
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