※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年10月号からの転載です。

母が認知症、姉がダウン症、父が酔っ払いで本人は一発屋女芸人。そんな家族の毎日をキレイごと抜きに綴った、にしおかすみこの痛快エッセイ集第3弾『ポンコツ一家 最後の2年』が発売。母との死別を経たいま、にしおかさんは何を思うのか。
――第1弾、第2弾は何度も重版に。第3弾ならではの注目ポイントは?
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にしおかすみこ(以下にしおか):母が生きていた最後の2年間が詰まってます。まだまだ生きると思っていた、この気持ち、このエネルギーで書けるのはこれが最後になります。それと、連載では迷って出さなかったエピソードを“番外編”として巻末に書下ろしました。単発で読むより、一冊を通してウチの家族を知って、その延長で読んでいただいたほうが誤解が少ないと判断しました。また、1冊目、2冊目のときには答えが出なかった“家族とは何か”という問いについても、自分も含めてガラクタだと思っていたけど、それが宝物だと思えるようになりました。
――本書をどんな人に届けたいですか?
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にしおか:疲れてたり、悩んでらっしゃる方。あとは家族で回し読みしてもらえれば。おこがましいですけれど、ちょっとでも家族のあり方について考えるきっかけにしていただけたらうれしいです。ただし、内容的にはオール愚痴です(笑)。愚痴のプロが書いているので、たくさん笑ってほしいですね。
――にしおかさんにとって“書く”とは?
にしおか:書くことは元々好きだったんです。一発屋として世に出て、その後どんどん仕事が減っていくなかで、コロナ禍で仕事がゼロになり、実家に戻って家族と暮らす状況で“自分は気力も体力もあるのだから好きなことをやろう”と思うように。そんななかで見つけたのが“書くこと”でした。この『ポンコツ一家』シリーズは、“笑いました”“泣きました”“頑張ってください”と、読んでくださった方から多くの感想をいただきました。ありがたいです。いまはもっといろんなタイプの文章を書いてみたいです。
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――お笑いの仕事をたくさんいただいていた頃に応援してくださっていた方たちにメッセージはありますか?
にしおか:私が書いた物を通じて“共に自分ファーストで”と伝えたいです(笑)。
取材・文:澤井 一 写真:川口宗道
にしおか・すみこ●1974年、千葉県生まれ。94年にお笑い芸人デビュー。2007年にテレビ番組『エンタの神様』に出演しSM女王様キャラに扮したネタで大ブレイク。09年には春風亭小朝に弟子入りし「春風こえむ」の名で初高座を。現在もリポーターやコメンテイターとしてテレビで活躍。ウェブ連載をまとめた著書「ポンコツ一家」も好評で文才にも注目が集まる。
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『ポンコツ一家 最後の2年』
(にしおかすみこ/講談社) 1870円(税込)
かつて一世を風靡した芸人・にしおかすみこが、認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父と同居。家族介護に奮闘する様子を綴った講談社「FRaU web」の連載をまとめたエッセイ集「ポンコツ一家」シリーズの第3弾が発売となる。シリーズ作は「壮絶だけど笑える」「家族愛に感動」「他人事だと思えない」と好評。母との死別による“ポンコツ一家”の最後が示される。
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