
思いもよらないペットの謎行動に笑ってしまうことは多いだろう。『ドヤ顔柴犬どんぐり』(宮路ひま/KADOKAWA)は、予測不能な行動をする愛犬と、そのペースに巻き込まれる家族のドタバタな日常を描いたコミックエッセイ。愛くるしい見た目と型破りな動きで笑いを届けてくれる柴犬「どんぐり」には不思議な魅力がある。
著者の宮路ひま氏一家が暮らす家にやってきた、二代目となる柴犬の「どんぐり」。先代柴犬の「ぺっちゃん」が亡くなったあとに迎えられたどんぐりは、とにかく明るく自由奔放な性格だ。オスに間違えられる「おっちゃん顔」に、小さな目が特徴で、鳴き声は「ワン」ではなく「あわわわわわ」。そして自信満々な「ドヤ顔」でニヤリとしてみせるなど、普通の犬とはひと味もふた味も違う存在感を放つ。
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そんなどんぐりが毎日見せるのは、宮路氏たちの予想をはるかに超えていくものばかり。見つけた木の実をボディプレスで潰すことにハマりだしたり、真冬なのにフライングで夏毛を生やしたり。さらには、見知らぬ男女の痴話ゲンカに遠吠えで参戦したり、家族が障子張りに集中している最中に乱入してきたりと、自由すぎる行動で家族を振り回していく。
しかしどれだけ翻弄されても、宮路一家のどんぐりに対する眼差しはどこまでも温かい。「褒めて育てる」方針を貫いた結果、かなり自己評価の高い柴犬となったために、ご飯を食べてもウンチをしても褒められることに本人もまんざらではない様子を見せる。そしてエサの入れ替えに失敗した隙を突いて猛ダッシュしてくる食い意地の張った姿すらも、一家にとってはどんぐりから笑いをもらった日常のひとコマだ。
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悪気のないイタズラと堂々とした不敵な笑みで、読み手の心をも惹きつけるどんぐり。次は何をやらかすのかとページをめくるたび、その無邪気な姿がますます愛おしくなるだろう。犬と暮らす日々の楽しさと、クスッと笑える温かな空気が詰まった作品である。
文=つぼ子
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