
見た目は悪役、中身は聖人なふたりのシュールな日常を描く『見るからに怪しい二人』(鬼澤馬勇/KADOKAWA)。いつも見た目だけで判断され、誤解を受けているふたりだが、これまでの善行を覚えてくれている人もいるようで……。
通りすがりの子どもに「おにいちゃん悪者でしょ!」と指を差された男。「人を指さしてはいけないよ」と少年に教えてあげたいが、確かに髪型はモヒカン、耳たぶや目の周りに無数のピアスが開いている男のいでたちは、両手のアイスでも中和できないほどヴィラン寄り。男が丁寧に、しかも気が弱そうな感じで「悪者じゃないです……」と言っても、少年は即座に「嘘だッ!」と否定。取り付く島もない。
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少年がなぜそこまでこの男を悪者だと信じているかというと、その理由は男がいつも一緒にいる友達にもある。男の友達は黒髪長髪で、全身黒づくめ。少年は彼のことを魔王と断定しており、男のことは魔王の手下だと思っているのだ。
どれだけ否定してもふたりが世界征服を企み、子どもを人質に取ろうとしていると思い込む少年。しかしそこへ、ある女性が通りかかり……。
見た目で偏見を持たれ、孤立していると思われていたふたりが、実は地域に密着し自らの居場所を作っていた。そんなコメディの中にハートフル要素が詰まったこの回。子持ちの私としては、「こんな風に地元を見守ってくれる若者、いてくれたらいいな」と真面目に思ってしまった。イカつい見た目も、覚えやすくていいかもしれない。
文=原智香
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