
『タイ移住に挑む、アラフォー崖っぷち女子の苦難』(プル子:漫画、カワノアユミ:原案/竹書房)は、タイへの移住を決意したアラフォー女性が、理想と現実のギャップに翻弄されながら新天地での暮らしに挑む姿を描いた実録コミックエッセイだ。
タイは物価が安く、気候は温暖。日本から比較的近いこともあり、悠々自適な暮らしができるかもしれない。そんなイメージを持っている人もいるだろう。ところが、いざ移住しようとすると、当然ながらそう簡単にはいかない。日本とは異なる文化や生活習慣はさることながら、物価の上昇にビザ取得のハードルの高さや住居探しなど、次から次へと想定外の問題が待ち受けているのだ。本作では、そんなタイ移住のリアルが、アラフォー女性の目線からコミカルに描かれていく。海外移住という言葉から想像する華やかな側面だけでなく、実際に異国で暮らすことで直面するさまざまな問題が綴られている。
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さらに本作は、移住に関する必要な手続きや生活費といった現実的な話だけでは終わらないところが面白いところだ。ナイトライフに美容、日本食、日本人コミュニティ、さらには現地で出会う男性たちのことなど、紹介している話題が実に幅広いのだ。一歩日本を出てしまえば、当たり前だった価値観や常識が通用しなくなる。そんな異文化の中での戸惑いや発見が読みどころだ。
かつては「移住天国」ともいわれたタイだが、時代が変われば現地の事情も変わる。物価も制度も人々の暮らしも変化している以上、昔のイメージだけで海外移住を考えることはできない。「海外で暮らす」ということは旅行の延長ではなく、その国の現実の中で生活していくことなのだとあらためて気づかされるだろう。
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昨今の国際情勢もあり、海外移住は以前より難しくなっているかもしれない。だがそんな困難があるからこそ、味わえる面白さもある。タイ移住を考えている人はもちろん、いつか海外で暮らしてみたいと思っている人はぜひ手に取ってみてほしい。海外移住の理想と現実、そしてその本当の魅力を教えてくれるはずだ。
文=益田聖良
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