
赤ちゃんは、かわいい。小さな手も、やわらかそうな頬も、見ているだけで触りたくなる。けれど、相手が赤ちゃんだからといって、好き勝手に触っていいわけではない。大人に悪気はなくても、触れ方ひとつで怖い思いをさせてしまうことがあるのだ。
『赤ちゃんに転生した話』(茶々京色/KADOKAWA)が描くのは、大人の記憶と知識を持ったまま、泣くことしかできない赤ちゃんに転生した男性の奮闘劇。危険に気づいても言葉は話せないし、体は思うように動かない。そのもどかしさが、この作品ではコミカルに描き出されていく。
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ある日、母方の祖母と叔母が家へ遊びにやって来た。もうすぐ生後3カ月になる赤ちゃんとの対面に、ふたりは大盛り上がり。だが、叔母が「触ってもいい〜?」と手をモミモミし始めたあたりから、雲行きは怪しくなる。さらに頭に触れた瞬間、赤ちゃんの中で警報が鳴る。そこは大泉門。赤ちゃんの頭蓋骨はまだ完全には結合しておらず、強く押してはいけない場所なのだ。
「ぎゃあああああ」――泣き叫ぶ赤ちゃんのあまりの必死さに思わずヒヤッとする。しかも叔母はなかなか謝ろうとせず、ママの怒りは募る一方だ。
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赤ちゃんだから、家族だから、かわいいから。そのどれもが、相手の嫌がることをしていい理由にはならない。改めてこのエピソードを読むと、赤ちゃんに触れる時には、やはり慎重でなくてはと思わされるだろう。
文=アサトーミナミ
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