
スーパーの魚売り場で手に取るのは、いつもと同じ刺し身や切り身ばかり。もちろんたまには別の魚で違う料理を作ってみたい気持ちはあるものの、下処理や調理の難しさを考えると、やっぱり無難な魚を選んでしまう。2026年8月5日に発売された『今夜はなんの魚かな?』(たかぎなおこ/KADOKAWA)は、魚料理のレパートリーの少なさに悩んだ著者のたかぎなおこ氏が、もっと魚料理の幅を広げようと奮闘する「お魚料理1年生」のコミックエッセイである。
大の魚好きであるたかぎ氏だが、食卓に並ぶのは手軽な刺し身が中心だった。しかし夫や幼い娘の好みも考えて「もっといろんな魚を食べさせたい」と思い、魚料理のレベルアップを決意する。最初に挑んだのは、ブリの照り焼きだ。しかし、タレの煮詰め具合や火加減がうまくいかず、しょっぱくなったり身が硬くなったりと、いきなり失敗を経験してしまう。
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また、魚売り場で丸ごと一匹の魚を見かけても、頼み方が分からず素通りしていた無料の調理加工サービスに意を決して挑戦してみる。こうして内臓を取ってもらったイワシを手に入れたものの、塩焼きにしてみたらパサついて美味しくない。後からそのイワシは脂肪分の少ない「うるめいわし」であったことを知り、魚の種類による大きな違いに驚かされる。そんな失敗を繰り返しながらも諦めず、アジやタイ、タチウオといった魚に挑戦していくのである。
そんな試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ魚の調理のコツを掴み成長していく姿がとても頼もしい。最初は苦戦したブリの照り焼きにリベンジして納得のいく味付けにできたり、子どもが喜ぶアレンジ料理や、自家製の干物、さらにはおうち回転寿司をしたりと、食卓に並ぶ魚料理のバリエーションが一気に広がりを見せるので、魚料理に苦手意識がある人に勇気をくれることだろう。
次はどんな魚を食べようかというワクワク感が伝わってくる本作。読後はスーパーの魚売り場の前で足が止まってしまうはずだ。
文=つぼ子
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