
『ヤンキーとキャラメリゼ』(梅渋ちうこ/KADOKAWA)は、人気インフルエンサーの男子高校生と、お菓子作りが趣味のヤンキーとの恋を描いたBLコミック。一見交わりそうにないクラスメイトふたりが、SNSへの動画投稿をきっかけに距離を縮めていく。
高校生の八十川瑛人は、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサー。ある日、クラスメイトのヤンキー・真木猶史が、自分で作ったお菓子の写真をSNSにアップしていることを知る。意外すぎる真木の一面を発見した瑛人は、インフルエンサー魂に火がつき、真木のお菓子作りを動画にして公開したいと提案する。しかし真木は、趣味がお菓子作りであることを誰にも知られたくない。それでも瑛人はなんとか彼を口説き落とし、ふたりで動画を作るようになる。
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見た目はいかにもなヤンキーなのに、繊細なお菓子を作る真木。しかも、お菓子を作っているときはかっこよく、褒めると照れてかわいい表情を見せる。そんなギャップを間近で知っていくうちに、瑛人は真木にどんどん惹かれていく。
ところが、自分がプロデュースした動画が注目を集めるほど、瑛人の心には思いがけない感情が芽生え始める。真木の魅力をもっと多くの人に知ってほしかったはずなのに、ファンが増えていくのが面白くないのだ。誰が真木を好きになろうと関係ないと思いながらも、「かわいい顔をほかの誰かに見せてほしくない」という独占欲が膨らんでいく。
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本作の面白さは、「ヤンキーなのにお菓子作りが得意」という真木のギャップと、みんなに見てほしくて始めた動画のはずが、真木の魅力を知れば知るほど「自分だけが知っていたい」と思ってしまう瑛人の心の変化だ。
お菓子を作り、動画を撮り、一緒に過ごす時間が増えるたびに「友達」という関係が少しずつ変わっていく。キャラメリゼされた砂糖のように、甘さの中にほんの少しのほろ苦さを感じさせる、初々しい恋の行く末に目が離せなくなるだろう。
文=甲斐ハヤト
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