
『不倫、サレる側が悪いんですか 時代錯誤なクズ夫は捨てさせていただきます』(サレ妻miku:原作、小松鳩:漫画/KADOKAWA)は、上司の影響で時代錯誤な価値観に染まり不倫にのめり込んでいく夫と、そんな夫に傷つけられた妻による反撃を描いた愛憎劇である。
主人公・カオリの夫であるマコトは、もともとは真面目な男性だった。ところが、上司の大木と付き合うようになったことで少しずつ変わっていってしまう。大木が持っているのは、「若い愛人を作ることこそ男の甲斐性」とでもいうようなどうしようもない価値観で、そんな大木に影響されたマコトは、不倫にのめり込み、次第に家庭をないがしろにしていくようになる。
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しかも厄介なのは、大木が女性を見下すような言動を平然と繰り返すことだ。ある日、深夜まで飲んで泥酔したマコトを迎えに行ったカオリに対して、大木はすっぴんで来たことをあげつらい、「浮気される妻にも原因がある」という趣旨の言葉を浴びせるのである。
そんな状況を一変させるのが、大木の妻・ミキエだ。彼女の登場によって、それまで理不尽な言葉に耐えるばかりだったカオリは、少しずつ反撃へと向かっていく。「不倫された側にも原因がある」という男たちの身勝手な理屈に対し、同じ妻という立場のふたりがどう立ち向かっていくのか。クズな夫だけでなく、その価値観を植えつけたセクハラ上司まで制裁の対象になっていくところに、本作ならではの爽快感がある。
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不倫をした人間が悪いのか、それとも、不倫されたパートナーが悪いのか。タイトルが投げかける問いへの答えは明白に思える。それでも、自分勝手な人間ほど、裏切った責任を相手に押しつけようとするものなのかもしれない。時代錯誤な価値観に染まった夫とセクハラ上司に対し、追い詰められていた妻たちは一体どんな反撃を見せるのか。読み手は怒りを募らせながらも、その制裁を最後まで見届けずにはいられなくなるだろう。
文=ヒルダ・フランクリン
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