ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年10月号からの転載です。


  ©Josh Telles


SNSで父に連絡を試みつつ、勘違いから同姓同名の別人と友情を育んだ実体験を、人間味あふれるドラメディへと昇華。


「顔も知らない他人の何気ないやさしさに救われた自分だからこそ、この物語を伝えなければと使命感を覚えて。とくに印象深い出来事や核心部分は残しながら、フィクションを織り交ぜてゆきました。こだわったのは、からかいや見下すような笑いとは一線を画すユーモアの使い方。自分にとっては痛みも伴う物語のなかに観客が喜びや繋がりを見出し、一緒に笑い合えるような作品にしたかったんです。ナルシストな父のキャラについては“どうやって創作したの”とよく聞かれますが、生物学上の父そのままで、むしろ少しマイルドにしたくらい(苦笑)。ただ訴訟問題が起きたらマズいので名前は変えようと思ったとき、浮かんだのは初仕事でご一緒した、20歳上の先輩でした。落ち込みがちな私に奥さまともども、すごく親切に接してくれた、とても温かいハートの持ち主です。ボブ・トレヴィノというその名をお借りすることによって、フェイスブックで出会った“父”と先輩が私に与えてくれたものに、お礼を言うような気持ちで脚本に向かえる気がしたわけです」


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