
人の気持ちが目に見えたなら、人間関係はもっと円滑になるのだろうか。『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』(鳥原習/一迅社)は、他人の感情が「見える」新入社員・志野聡子を中心に描かれるオフィスコメディ。2026年8月25日に発売された第8巻では、これまで脇を固めてきた忍川と国忠の関係が大きく動き始める。
物語の主人公・志野は、周囲から「空気が読める」と評判の新入社員。空気が読める理由は、実は人の感情を見ることができるという秘密の能力を持っているからだった。その人のまわりにふわふわと漂う、喜怒哀楽を示す生き物のようなものが見えるのだ。その力によって知ったのが、直属の上司・慈(うつみ)の意外な素顔だ。一見は無愛想で怖そうなのだが、その周囲にはいつも温かな感情が浮かんでいる。シリーズを通して、そんな「見える本音」と実際の言動とのギャップを楽しみながら、ふたりの恋模様が描かれてきた。
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第8巻では、志野の同僚・忍川をめぐる職場のトラブルが発生する。忍川は、上司からの告白を断ったことをきっかけに、仕事中の態度へのダメ出しや業務の修正を大量に求められるなど、理不尽な嫌がらせを受けるようになっていた。もともと自分の気持ちを抑え込みがちな忍川は、「もっと上の上司に相談して業務を離してもらえば」と心配する志野にも、「適当にやり過ごす」と笑ってみせる。
そんな忍川を放っておけないのが、彼女に密かに想いを寄せる同僚・国忠だ。彼は忍川を守るため、上司の矛先を自分に向けさせるための思い切った行動に出る。そんな国忠の片想いに、ついに変化の兆しが訪れる。実は国忠も志野と同じく空気が「見える」能力を持っており、この恋がどんな結果を迎えるのかが見どころだ。
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人の心が読めてしまう能力は便利な半面、人間関係がギスギスしたり、思わぬトラブルを起こしそうではある。しかし登場する人物たちはみな良い人たちで、全体的にほのぼのとした雰囲気となっているのが本作の大きな魅力だ。ほっこりと気持ちが温かくなる、癒やしの作品だ。
文=ゆくり
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