
子育てには、当事者でないとわからない辛さがある。そしてこちらの事情を知らない世間の声に傷つくことも。そんな瞬間が白目みさえさんのコミックエッセイ『子育てしたら白目になりました』には描かれている。
ある日、娘ふたりを連れてスーパーにいったみさえさん。娘に「お菓子買って」とせがまれるが、「今日は買わない」と伝える。娘が騒いでも、地団駄を踏んでも、「買わない」を貫くみさえさんを見た女子高生が「あんなにお願いしてるのに」「お菓子くらい買ってあげればいいのに」とこちらを見ながらひそひそ。それに気付いてしまったみさえさんは傷つくが、彼女はなにも数百円のお菓子をもったいないからと娘に禁止しているわけではない。
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実は前日、お菓子を盗み食いして、夕飯が食べられなかった娘。その上で「今日は何も買わない」と約束してスーパーに来ていたのだ。この事情を知り、子育てを知る人であれば「今日はおやつを買わない」ときっぱり娘に伝えることは、娘を思っての教育的行動だと理解できるだろう。しかしそうではない人にはただ「子どもを泣かせているのに対処しない母親」と思われてしまうこともある。実際私自身、子どもを産む前はスーパーで泣き叫ぶ子を見て「あんなに泣かせるくらいならおやつくらい買ってあげたらいいのに……」と口にこそ出さねど思ってしまった経験もある。
子育て世代への視線は冷たいと言われる昨今。子どもが外出先でぐずると「しつけがなっていない親だと思われているかな」など周囲の視線が気になることも。しかし、あたたかい目線を持ってくれる人ももちろんいる。ラストにはそんな救いも描かれているエピソードだ。
文=原智香
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