ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年10月号からの転載です。



「読みたいのに読めない」。


講演会などに赴くと、そんな嘆きや苦情に近い声を耳にしてきたという。そりゃ、そうだ。文学界に旋風を巻き起こした21世紀生まれ初の芥川賞作家のデビュー作、何よりこれほど本好きのツボを突くタイトルの小説はない。


「これまで林芙美子文学賞受賞記念の冊子と、雑誌掲載版しか世に出ていなかったのですが、本作と芥川賞受賞作『ゲーテはすべてを言った』、『携帯遺産』を、私は《初期3部作》と呼んでいて、その中でこれが一番好き、という人が多いんです。個人的にとても好きな短編2編と、単行本化では遅れてきた長男が一冊の本になり、とてもうれしいです」


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