ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年9月号からの転載です。


物としての圧倒的な存在感 黒と白と金が織りなす深い森



物語が求める“形”というものがある。この本の圧倒的な厚さもその一例で、一般流通の文芸書としては異様な存在感を放っていた。




著者はインタビューで、本書は木の字が連なる架空の文字が頭に浮かんだことが着想のきっかけと語っており、それを“形”として表現したタイトルのタイポグラフィがお見事。黒地に白抜き文字と金箔というシンプルな構成ながら、空間を分断するように押された金箔の効果もあり、タイトル下の黒地は本の厚みと相まって、深い奥行きを感じさせる。広い束幅を生かした背のレイアウトも巧みで、文字は箔の森に侵食される。


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