
愛美は夫・賢二とごく普通の夫婦として、幸せに暮らしていた。しかしある日、突然賢二の両親が事故に遭い、義父が亡くなる。悲しみに暮れる中、義父の葬儀に現れたのは怪しげな男。その男は、夫の兄・聡一だった……。聡一という兄がいること、聡一は高校生の頃から引きこもっていることを愛美は初めて知る。義家族はなぜ聡一の存在を隠していたのか?
『隠された家族』(のむ吉:著、小瀬古伸幸:監修/KADOKAWA)は統合失調症を患う兄をめぐり、家族がどう向き合っていくかを描いた物語だ。著者であるのむ吉さんにインタビュー。自身も精神科で働いていたというのむ吉さんが、本作に込めた想いを伺った。
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※統合失調症をはじめとした精神疾患の進行や症状は個人差がありますので、詳細は医療機関等にご確認ください
――『隠された家族』はどんなことを伝えようと思って描いた作品ですか?
のむ吉さん(以下、のむ吉):精神疾患のある人が、病気と向き合いながらも、その人らしく安心して過ごせる社会になってほしいと思いながら描きました。また、患者本人だけでなく家族の葛藤にも目を向けてほしいという思いを込めました。
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――描こうと思ったきっかけを教えてください。
のむ吉:私は長年、精神科で看護師をしていました。その中で、精神疾患のある人に対する社会の偏見や誤解が想像以上に根強く残っていることを実感しました。私自身が患者さんと接する中で感じたことや経験したことを多くの人に伝えたいと思ったことが、この作品を描くきっかけになりました。
――精神科で働く前は精神疾患の患者さんに対してどんなイメージを持っていましたか?
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のむ吉:どこか近寄りがたい印象を抱いていました。精神疾患といわれる「心の病気」は外からは見えにくく、本人がどのような苦しみを抱えているのか想像しにくいため、漠然とした不安や怖さを感じていたのだと思います。
――働く中で、そのイメージに変化はありましたか?
のむ吉:多くの患者さんと関わる中で、一人ひとりの人生に思いを馳せるようになりました。この作品を描くにあたって、病気だけでなく「その人」を見ることの大切さを改めて感じました。
取材・文=原智香
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