
近年、首都圏を中心に中学受験熱は高まりを見せている。中学受験は「頭のいい子が偏差値の高い学校へ行くためのもの」「大学受験対策として一貫校に入学するため」というイメージを持つ人もいるだろう。しかし、子どもたち一人ひとりが、自らの個性を活かすための選択肢にもなっている。「発達障害があるからこそ、中学受験をする」という選択をした4つの家庭の受験体験を描いたコミックエッセイが『発達障害っ子の中学受験』(モンズースー:著、小川大介・橋本圭司:監修/KADOKAWA)だ。
作中では、異なる特性を持つ4人の子どもたちとその家族の体験を、「受験を決意した理由」「塾・学校選び」などテーマごとに紹介。医師と中学受験専門家、それぞれの視点から書かれたコラムも掲載され、「なんのために中学受験をするのか」という本質にも迫った一冊だ。著者・モンズースーさんに4家族への取材・執筆を通して感じた発達障害のある子どもの成長や、中学受験について、広くお話を伺った。
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※発達障害という言葉は近年、“神経発達症”という名称に変わっています。本記事ではわかりやすい表現として発達障害と表記しています。
※個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。ご了承の上お読みください。
――発達障害の特性によっては、薬を飲むことで症状が落ち着くこともあるそうですね。
モンズースーさん(以下、モンズースー):そうなんです。薬については本書を監修してくださった医学博士の橋本圭司先生がコラムにまとめてくださっています。今のところ薬物療法が有効なのは基本的にADHDのみです。多くの方は複数の要素が重なり合っているので、ADHDの特性には効果があっても、他の特性や症状との関係で副作用が出ることもあるとのことでした。薬の種類などについても詳しく書いていただいているので、ぜひ読んでみてください。
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――本書の中でも、ADHDとASDの診断を受けたハルキくんに対して、ご両親が投薬について悩むシーンがあり、印象的でした。
モンズースー:まず受診して、発達障害の診断をもらわないと薬物療法は受けられません。ただでさえ精神的に不安定になりがちな受験期にそれをすべきかどうかなど、悩むポイントがいくつもあり、ハルキくん一家に限らず、ご夫婦で意見が割れたという話を取材で伺いました。やはりこれについても、ご家庭ごとに結論は違うと思うので、あくまでひとつのご家庭のお話として読んでいただければと思います。
取材・文=原智香
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