
幸せなはずなのに、どこかさびしい。「33歳という日々」シリーズ(鈴木みろ/KADOKAWA)は、同じ33歳を生きる女性――子なし夫婦のエリ、シングルマザーのゆみ、独身のこのみ3人の視点から、現代女性のリアルな日常を描く。
シリーズ第1作は『33歳という日々 子なし夫婦、エリの場合』。主人公・エリは、13年付き合った夫・ケンちゃんと結婚して3年。「お子さんは?」「うちはまだで」。そんな日常会話に、子どもを望むエリの心は静かに沈んでいく。そして、彼女の妊活の努力とは真反対の行動を繰り返す夫。気づけば夫は「一番近くて一番遠い人」になっていた。さらに、ライフステージの違う友人たちとのすれ違いにも心が痛んでいく。
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本作には、33歳という年齢を生きる女性たちの複雑な感情が綴られている。YouTubeで130万回再生を記録し、多くの共感を呼んだ話題作に込めたメッセージを、著者・鈴木みろさんに伺った。
――本作には、エリが自分自身を見つめ直すために「現実逃避」するシーンが登場します。ここには、どのような意味を込めましたか?
鈴木みろさん(以下、鈴木):いろんな解釈をしてもらえたらと思います。「逃げてもいいんだ」と受け取ってもらってもいいですし、「逃げることが、近道になることもある」と感じてもらってもいい と思います。
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私自身、逃げることに罪悪感を感じることもありますが、「逃げるが勝ち」と心の中で唱えてその場から離れることもあります。
同じ章で、エリが旅行から帰るための船が風で遅れたとき、地元のおじさんたちが放った「でも大丈夫 風は必ず変わるから」という言葉も、私はすごく気に入っています。
学生時代からの友人は「当時のまま」じゃない。夫のケンちゃんも、そしてエリ自身も変わっていく。そして、ふとした瞬間にこれまでとは風向きが変わり、また前を向いていけるかもしれない。エリと一緒に、「変わる」ということの意味を考えてもらえたらと思います。
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――鈴木さんが本作で気に入っているシーンをぜひ教えてください。
鈴木:どのシーンも大切なので、別の機会にまた聞かれたら違う答えになるかもしれないのですが……。あえて選ぶとしたら、エリが旅行先のおばあちゃんとふたりで話す場面は好きですね!
おばあちゃんが、ずっと悩んでいたエリの気持ちを柔らかく包んでくれるようなシーンになったのかなと思います。
少し話が逸れるかもしれないのですが、本作を手に取った方だけが楽しめる中表紙にも物語を忍ばせています。エリの親友2人を描いた「33歳という日々」シリーズのこのみ編、ゆみ編の3冊と繋がっているストーリーなので、ぜひ手に取ってくださった方にはカバーをめくってみてほしいです。まだ気づいていない方にも、楽しんでいただきたいです。
取材・文=松本温美
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