ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年9月号からの転載です。



戦争、災害、政治不信。ニュースを見るたびに、ストレスを感じる人は少なくないはず。寺地さんの新刊にも、そんな今の気分が反映されている。


「今、世界でいろんなことが起きていますよね。国内でも、私たちの力の及ばないところで信じられない法案が可決され、毎日のように怯えたり怒ったりしています。でも、仕事や生活もちゃんとしなきゃいけないし、日々の楽しみをなくしたら負けな気もする。そういう現状を、そのままギュッと詰め込みました」


とはいえ、そこは寺地さんのこと、大上段に構えて世相を斬るような小説ではない。なにしろ第1幕は、「死体のそばでおばさんたちがおしゃべりする話」。ミステリー色も漂うが、あくまでも日常の物語が描かれる。「それと政治不信に何の関係が?」と思うかもしれないが、前述したテーマと地続きだという。


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