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長月東葭/KADOKAWA


雪の夜、冷たい水の中から、何かが這い上がってくる。ズルズルペチャリ、ズルズルペチャリ。奇妙な足音を響かせ、干からびたネズミをひょいと口に放り込む。偶然通りかかった男は、その姿を見るなり「化け物」と叫び、一目散に逃げ出した。――そんな冒頭を読めば、あなたは思うだろう。「何なんだ、この生き物は」と。だが読み進めるうち、驚かされるはずだ。この「むすめ」が、こんなにも愛おしくなるなんて。この「むすめ」の物語に、これほど心を満たされるなんて、と。


その物語が、『かいじゅうのむすめ』(長月東葭/KADOKAWA)。第32回電撃小説大賞《電撃の新文芸賞》を受賞した王道ファンタジーだ。醜い姿の「化け物」と盲目の王子の友情から始まるこの作品は、どこまでも温かい。おとぎ話のような世界から、予想もつかない冒険へと繋がっていく。


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