
たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。
現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。
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本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。
作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。
――本作では死や別れという重い現実を、明るくユーモアを交えて描かれているのが印象的です。このような見せ方を選んだ背景には、どんな想いがあったのでしょうか。
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中山有香里さん(以下、中山):正直、ユーモアはあまり意識していませんでした。ただ、死をテーマにしつつも、クスッと笑えたり癒やしになるシーンを入れたりして、重くなりすぎないようには心がけていました。
亡くなったペットや家族、大事な人を思い出すときに、ちょっとでも笑顔になってもらいたいなと思って。
――本作は、「大切な存在との別れをどう受け止めるか」という問いを与える作品でもありますよね。中山さん自身は、大切な存在との別れをどのように受け止めてきたのでしょうか。
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中山:大切な存在との別れを受け止められているのか分からないのが、正直なところです。私は、ずっと「別れを受け止められている」と思っていました。でも、本作を描く中で色々な別れを思い出し、泣いてしまうことがあって…。
そのとき、「あぁ、私って受け止められていなかったんだなあ」と感じました。本作を描いていると、自分の気持ちをなぞっているような感覚になります。
――世間ではよく「別れの悲しみは時間が癒やしてくれる」とは言われますが、そういった言説について、中山さん自身はどう感じておられますか。
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中山:「別れの悲しみは時間が癒やしてくれる」というのは、本当だと思います。傷は完全には治らないけれど、かさぶたのようにはなってくれます。でも、そのかさぶたはずっと消えなくて、ふとしたときに端っこがペリッとめくれて痛くなることもある。
悲しいけれど、大事な存在がいなくなっても、明日はやってきて日常も続いていくのが現実です。私自身きっと、まだ受け止められていないことがたくさんあるし、一生受け止められないこともあるのだと思います。
取材・文=古川諭香
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