
たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。
現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。
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本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。
作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。
――天国に旅立ったペットたちのその後を温かく描いた本作は、ペットロスの悲しみも癒やしてくれるように感じました。中山さん自身も、愛犬を亡くされた経験があるそうですね。
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中山有香里さん(以下、中山):我が家には私が生まれた頃に家にきた「ハナコ」と、ハナコが亡くなったあと、一緒に暮らした「ムサシ」という犬がいました。
ハナコは大人しく、とても賢い女の子。ムサシは私が中学生の頃に迎えました。ムサシはやんちゃな男の子で、ハナコとは正反対の性格でした。私が社会人になって久しぶりに実家に帰ったときには、大きく尻尾を振って全身で喜んでくれましたね。
――2匹とも、それぞれ違ったかわいさがあったんですね。家族として深く愛していた存在だったからこそ、別れのときには言葉にできない苦しさを感じたのではないでしょうか。
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中山:ハナコが亡くなったとき、私は泣き叫ぶ母親の後ろで、ぼんやりその光景を見ていました。どれだけ時間が経っても愛犬たちの死を思い出すと、いまだに「ぼんやり」「ぽっかり」という感情になります。「もっとできることがあったはず」「もっとこうしてあげたかった」と後悔ばかりです。
――もし、亡くなった愛犬たちと天国で再会できたとしたら、どんな想いを伝えたいですか。
中山:まず、子どもの頃に散歩をめんどくさがったり、近道して散歩したりしたことを謝りたいです。「散歩、もっと行きたかったよね。ごめん」って。そして、愛犬の気が済むまで長い長い散歩がしたい。都合のいい願いだとは分かっていますが、許してもらえなくても会いに行きたいです。
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あと、あまり会えないまま亡くなってしまった猫好きの祖父にも「もっと会いに行けばよかった」と謝りたいです。だから、天国に行けるようになんとか徳を積みたいし、これから先の人生では後悔が少なくなるよう周りを大事にしていきたいです。
取材・文=古川諭香
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