
たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。
現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。
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本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。
作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。
――天国を舞台にした本作には「死」が多く描かれています。死はセンシティブな話題でもあるからこそ、作品を描く中で何か意識されたことはあったのでしょうか。
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中山有香里さん(以下、中山):綺麗すぎない結末にすることを心がけてきました。どう願っても、もう戻れない過去や会えない人はいる。そうした現実の中で、希望になるような話を描きたいなと思っています。
――本作はSNSやレビューサイトにも多くの反響が寄せられるなど、大きな話題になっています。そうした反響を受け、どんなことを思われましたか。
中山:とてもたくさんの反響をいただけて、驚きました。人によって漫画への解釈が違うので、自分なりの解釈をコメントでいただいたり、感想と共に読者さんの経験を聞かせていただけたりすることも嬉しかったです。
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――読者の中には、大切なペットの写真を送ってくださる方もいるそうですね。
中山:漫画に登場する動物を見て、「うちの子にそっくり!」と写真を見せてもらえることがあります。写真からとても大事にしてもらっているのが伝わってくるので、こちらも温かい気持ちになります。
――そういった反響は、作品を描く原動力にもなりそうですね!
中山:私は、自分の作品に対して反応がいただけること自体に励まされています。SNSに寄せられる「いいね」や閲覧数を見ると、「この画面の先に読んでくださった方がいるんだ」と嬉しくなり、次の話を描く力になるんです。
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「この物語に読者さんはどんな反応をしてくれるかな」とワクワクしながら作品を描いています。
――これまで寄せられた反響の中でも、とくに印象に残ったものはありますか。
中山:小学2年生の女の子が書いてくれた読書感想文です。縁があり読ませていただいたのですが、その子は家族である大切な猫ちゃんの“いつかくる死”を考えて、「そのとき、受け入れられるかわからないけれど、毎日大切にしたい」と書いてくれていました。
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その読書感想文には「読んでいて、涙が溢れてきた」とも書いてあり、その子の心に何か届くものがあったのかなと、とても嬉しかったです。本作が大切な誰かを思い出したり、誰かと大切な1日を過ごせたりするきっかけになっているのだと知ると、この漫画を描いて本当によかったと思えます。
取材・文=古川諭香
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