
ネットやテレビから流れてくる若年層の妊娠のニュース。まさか自分の子が当事者になるとは思っていないだろう。というより、思いたくない。しかし、親が考えもしないところで悪夢は生まれてしまうようだ。
漫画『娘が12歳で妊娠しました 逃げた男を絶対に許さない』(KADOKAWA)では、中学生になったばかりの娘のりこが性被害によって妊娠。母親の麗美は必死に相手の男を探そうとする。ところが、娘は事の顛末をかたくなに話そうとせず…。若年層の妊娠の過酷さに迫りながら、「自分には関係ない」とのたまう周囲の人間たちから理不尽な現実を突きつけられる娘と母の姿に、心を強く動かされてしまうこと必至だ。制作に向けた想いを作者のゆっぺさんに聞いた。
続きを読む
※この記事は若年妊娠など、センシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
——誹謗中傷から身を守るため、娘ののりこはおばあちゃんの家に預けられます。母の麗美に質問されても口を閉ざしていたのりこですが、おばあちゃんには正直な気持ちを打ち明ける場面が描かれています。母親の麗美と何が違ったんでしょうか。
ゆっぺさん(以下、ゆっぺ):おばあちゃんがまるごと受け止めてくれる人なので、強がることなく素直になれたのかなと。母親のことは好きだけど、自分を必死に守ろうとしてくれる姿に「これ以上心配をかけたくない」と感じて、本当のことを言えず、我慢していたのかもしれません。
続きを読む
——おばあちゃんが、理不尽な思いをしてきた日本の女性たちの話をのりこに聞かせる場面もありました。このエピソードを描いた意図とは?
ゆっぺ:私が実際に祖母から聞いた戦時中の話を参考にしたのですが、「女性だから」という理由だけで理不尽な思いをしてきた人たちは今よりはるかに多くいたようです。今の時代、差別や偏見に対して厳しい目が向けられるようになったのは、過去に苦しみ、声を上げ続けてきた人たちがいてくれたおかげ。その歴史を忘れないためにも、多くの読者の方に知ってもらいたいと思いました。
——そんなことがあってから、のりこはやっと性被害の一部始終を麗美に話してくれるのですが、麗美は相当ショックだっただろうなと。
続きを読む
ゆっぺ:強い怒りを感じたと思います。大切な娘が傷つけられたのは、親にとって耐え難い痛みなので。もし私が同じ立場だったとしても、相手に「償わせたい」「痛い目に遭わせたい」と考えてしまうと思います。
文=吉田あき
記事一覧に戻る