
ネットやテレビから流れてくる若年層の妊娠のニュース。まさか自分の子が当事者になるとは思っていないだろう。というより、思いたくない。しかし、親が考えもしないところで悪夢は生まれてしまうようだ。
漫画『娘が12歳で妊娠しました 逃げた男を絶対に許さない』(KADOKAWA)では、中学生になったばかりの娘のりこが性被害によって妊娠。母親の麗美は必死に相手の男を探そうとする。ところが、娘は事の顛末をかたくなに話そうとせず…。若年層の妊娠の過酷さに迫りながら、「自分には関係ない」とのたまう周囲の人間たちから理不尽な現実を突きつけられる娘と母の姿に、心を強く動かされてしまうこと必至だ。制作に向けた想いを作者のゆっぺさんに聞いた。
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※この記事は若年妊娠など、センシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
——娘ののりこは妊娠がわかってからしばらく学校を休んでいましたが、「このままじゃ何も変わらない」と一念発起して登校します。この場面で表現したかったことを教えてください。
ゆっぺさん(以下、ゆっぺ):傷つきながらも前を向こうとする彼女の強さと、現実に向き合おうとする決意を描きたいと思いました。自分がいないうちに好き勝手な噂が広がってしまうのは嫌だから「逃げているだけでは状況は変わらない」と覚悟を決めたのでしょうね。とても勇気のいることだと思います。
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——勇気を振り絞って登校したのに、学校には心ない言葉を投げてくるクラスメイトがいて。あまりにも残酷な場面でした。
ゆっぺ:子どもって、悪気がなくても感じたことをそのまま口にすることがありますよね。学校という小さなコミュニティでは、その一言によってあらぬ噂はあっという間に広がってしまいます。ふとした言葉が人を深く傷つけるという言葉の重みを伝えたいと思いました。
——ご近所でも噂する人たちがいて、母親の麗美が毅然と振る舞っていました。彼女の中にどんな気持ちが生まれたのでしょうか。
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ゆっぺ:麗美自身ものりこのことで傷ついて大変な状態なんだけど、自分が弱気になったらのりこを守れなくなってしまうので…。世間の噂や偏見は簡単になくなるものではないですよね。だから、振り回されるのではなく「この子だけは私が守ろう」と心に決めたのだと思います。
——登校したのはいいものの、好奇の目や誹謗中傷に傷つけられ、のりこは「自分の体は汚されてしまったんだ」と考えるようになります。ここでは、のりこのどんな状態を表現したいと思いましたか?
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ゆっぺ:のりこはまだ12歳という若さなので、自分に向けられた言葉や視線をそのまま受け止めて「自分が悪い」「もう元には戻れない」と考えてしまったのでしょうね。理不尽な世間の反応によって自分の価値まで見失ってしまったのりこの心の傷を、しっかり表現しようと思いました。
文=吉田あき
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