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『そして、バトンは渡された』や『夜明けのすべて』、『ありか』といった代表作で優しく読者の心を揺らしてきた作家・瀬尾まいこさん。その最新作『はじまりのスープ、夏ゼリー』は料理をテーマにした物語だ。主人公は、自分の価値を見出せず無気力に生きているが、料理の腕は抜群の女性・中森リリー。彼女は、料理を通して周囲の人や世界とつながっていく。本作を書いたきっかけから、自身の創作を支える思いまで、瀬尾さんに話してもらった。


設計図もないまま楽しく書いていたらできあがった小説


――料理を中心に据えた小説を書こうと思ったきっかけを教えてください。


瀬尾まいこさん(以下、瀬尾):料理をテーマにしようという強い意志があったわけではないのですが、ママ友と話していたりすると、料理の話になることが多いんですね。同じ家事でも、掃除だったら今日すれば明日しなくてもいいけど、料理って毎日毎日作らないといけない。家族にカップラーメンやスーパーの総菜を出したって責められるわけではないのに、罪悪感を抱いてしまうとか、長く料理をしていると自分の作るものに飽きてくるよねという話も周りとよくします。もっと料理が楽しくならないかな、うまく手を抜けたりしないかな、ということをふと思ったのがきっかけですね。


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