
映画やドラマ、アニメなど映像作品と電子書籍も楽しめる総合エンターテインメントサービス「U-NEXT」。競合ひしめく映像作品の配信が目を引く同サービスだが、近年では、オリジナルコミックレーベル「U-NEXT Comic」をはじめとして、自社による独自のIP開発に力をそそいでいる。
同レーベル発の原作から、近年では『五十嵐夫妻は偽装他人』と『水曜日、私の夫に抱かれてください』、『ディープリベンジ -顔を捨てた家政婦-』と次々と実写化されている。メディアミックスへと裾野を広げたねらいや展望について、株式会社U-NEXT IP本部 ビジネス推進部の戸所健一氏に聞いた。
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原作の制作時点で「SNSで切り抜かれたときの“映え”」を意識
――映像配信のイメージが強い「U-NEXT」ですが、実は、オリジナルコミックレーベルなど、電子書籍にも注力されています。
戸所健一さん(以下、戸所):思いのほか歴史は長く、2014年に別アプリとして電子書籍の配信サービスをスタートしました。2019年に動画サービスとの統合を図り、映像と電子書籍を一つのアプリで楽しめるようになりました。その後、2020年にオリジナル書籍の配信を開始し、2022年にオリジナルコミックレーベル「U-NEXT Comic」を立ち上げました。
「U-NEXT Comic」では横読みマンガと縦スクロールマンガを制作し、U-NEXT内での配信にとどまらず、自社IPを外向けにも展開していくことを重視しています。日本では年間数万点の新作が生まれていますが、なかには、実写化やアニメ化で爆発的なヒットを生む作品も多い。動画配信サービスは各社がオリジナル作品の製作で差別化を図っていますが、「原作」のスケール感に賭けたのが、立ち上げの理由でした。
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――御社のIPからも、オリジナルドラマとして次々に実写化されています。
戸所:これまで3作品が「U-NEXT Comic」発で、映像化されました。横読みマンガの『五十嵐夫妻は偽装他人』と『水曜日、私の夫に抱かれてください』、縦スクロールマンガの『ディープリベンジ -顔を捨てた家政婦-』です。電子書籍出版社としての歴史は浅いですが、発足から約4年での本数としては、周辺業界の方に驚いていただくことも多いです。
――お話を伺っている戸所さんはライツ担当者として、不倫の復讐劇を描いた『ディープリベンジ〜』に深く関わっていらっしゃったそうですね。
戸所:はい。物語は、事故で長く意識を失っていた主人公・望美が、目覚めると「子どもは死産、夫は別の女性と結婚していた」という絶望に直面し、顔と名前を変え、家政婦として一家に入り込み復讐を遂げていくという復讐劇です。
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原作の制作時点で、SNSで切り抜かれたときの“映え”を意識して作っていました。さらに、配信プラットフォームの強みとして、同じく不倫や復讐劇を扱った歴代ドラマの視聴データも参考に、視聴者が同テーマの作品で「何を求めているか」を分析しました。
――作品の“映え”や視聴データなどを、実際どのように反映されたのでしょう?
戸所:電子書籍は通勤時間など、スキマ時間に利用されるユーザーが多いので、ショート動画への反映も加味して「思わず指が止まるか」の観点から、驚きやインパクトを与えるシーンづくりを意識しました。また、データに関しては作品ごとに「最後まで視聴されているか」「どのようなシーンで離脱されるのか」などに注目し、原作の制作時点で編集部内に共有しました。
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オリジナルIPでは「電子書籍としてしっかり売れる」を前提に
――オリジナルIPの実写化によって、御社としては何が得られたのでしょう?
戸所:ドラマと原作コミックの相互送客が生まれました。映像と電子書籍のプラットフォームを統一しているからこそのメリットですし「ドラマから原作を知って読む」、あるいは逆で「原作から実写化を知る」という流れができたことには、大きな手ごたえを感じました。ユーザーの「観たい」「読みたい」の欲求を同時に満たせるのは、弊社ならではの強みだと自負しています。
――当初のねらいが、裏付けられたわけですね。
戸所:そうだと思います。配信プラットフォームとしてこれまで、積み重ねてきた知見を新たに活用できました。また、従来の映像配信によって、テレビ局との接点を築けているのも、弊社の強みだとは考えています。
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実は、実写化などのメディアミックスを進めるにあたっては、日頃から映像コンテンツの買い付けなどで各局と関係値を築いている社内の関係チームとも密に連携をとっています。彼らがメディア各社と結んできた強いネットワークの力を借りることで、スムーズな展開が可能になっています。こうした部署の垣根を越えた協力体制は、総合エンタメサービスを展開するU-NEXTならではの動きだと感じています。
『ディープリベンジ〜』では、HBO Max様を通じての海外配信も実現しました。0から1で原作を生み、1から100に広げられるのが実証されたので、今後のIP展開への可能性も広がりました。
――今後のメディアミックス展開について、期待されているものも教えてください。
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戸所:まず、編集部としては「映像化を見据えて作る」のが大事とはしつつも、まず「電子書籍としてしっかり売れる作品を作る」を意識しています。その上で、現状は実写ドラマが中心ですが、いずれはアニメ化など、作品に沿った形でメディアミックスの幅を広げていきたいと考えています。ただ、アニメ化に関しては競合作品の多さ、制作スタジオのリソース不足など、課題は様々ですので、実現のために尽力していきたいと考えています。
また、「U-NEXTがオリジナルコミックを制作している」という、そもそもの取り組みをより知っていただくのも、不可欠だと思っています。作品数を増やしながら、将来的には「誰もが知るドラマやアニメの原作」と認知していただける、ヒットを生み出すのも目標です。
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――最後に、読書好きのみなさまへ、御社のサービスで「今、読んでほしい」と思うおすすめの作品を教えてください。
戸所:『ビジョカツ!』と、『病弱ママですが、闇落ち息子を育ててみせます!』です。前者は、身体の美を競うスポーツ競技「フィジーク」を扱った作品で、彼氏の浮気を目撃した主人公の女子大生が、心機一転で通いはじめたトレーニングジムで仲間と出会い、外見だけではなく内面までも成長していく過程を描いた横読みマンガです。後者は縦スクロールマンガで、異世界転生に子育ての要素を組み合わせ、病弱な体で悲劇の運命に抗う主人公が、健気で泣けて時々笑える日常を生きる物語です。
ただ、この2作品だけではなく、いずれの作品もおすすめできると自信を持っています。「ここでしか出会えないオリジナルのコミックが、次のヒット作品になるかもしれない」という気持ちで、「U-NEXT Comic」をのぞいていただけるとうれしいです。
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取材・文=カネコシュウヘイ
進化したU-NEXTブックサービス「マンガ・本」TOPを紹介
映画やアニメなどの動画だけでなく、マンガや書籍、ラノベまで圧倒的なラインナップを誇るU-NEXTの電子書籍。このたび、より使いやすく、より作品を探しやすくなった「統合型TOP」へのリニューアルが実施されました。
①マンガ・書籍・ラノベが集結! 進化した「マンガ・本」TOP
「無料マンガ」と「ストア」のTOPをひとつに統合。マンガ(話・単行本)、書籍、ラノベなどの豊富なラインナップがシームレスに集結し、U-NEXTのブックサービス全体の魅力がひと目でわかる画面へと生まれ変わりました。
②本との出会いを広げる「レコメンド機能」
新しくなったTOPページには、おすすめ作品が表示されるレコメンドブロックがさらに充実。豊富なラインナップの中から、いま注目の話題作やあなたの読書ライフに彩りを添える一冊を提案してくれます。
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