
両親の離婚によって、幼くして親と離れて生活することになった姉妹が、理不尽な事態に直面しながらも、支え合って生きてきた日々を描いたコミックエッセイ『親に捨てられた私と妹 不器用な人』(ひらたともみ/KADOKAWA)。身勝手な大人たちに翻弄されながらも、前を向いて生きようとするふたりの姿を描いた作品だ。
主人公の朋が小学5年生になったばかりの時、父親の不倫がきっかけで両親が離婚する。「これからは3人で新しい生活が始まる」と期待していた朋と妹・真由だったが、母親はふたりを伯母の家に預け、娘たちと一緒の生活を捨ててしまう。父親は別の女性と暮らすため、母親は自分の人生をやり直すために我が子を手放したのだ。両親のいない生活を余儀なくされた姉妹は、周囲から向けられる視線と大きく変わった生活環境と向き合うことになる。
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伯母からは何かにつけて気が利く妹と比較され、月に一度だけは会いに来る母親に甘えていいのかさえわからない。親子でありながら埋められない距離を感じるなか、やがて母親から伯母の養子になるか、施設へ行くかの選択を迫られたために、昔から優しくしてくれた父方の祖母を頼ることにする。そして朋の小学校卒業後に、姉妹は祖母の家へと身を寄せるが、そこでも年金暮らしによる生活困窮という現実が待ち受けていた。食べる物がなく、ガス料金なども払えず、加えて父親が残した借金の督促におびえる日々を送りながら、ふたりは懸命に暮らしをつないでいく。
身勝手な両親の選択に振り回され何度も傷つけられながら、しかし朋は両親を完全に嫌いになることができない。自分たちを置き去りにした親に対して、怒りや寂しさ、諦めの思いと一緒に、期待してしまう気持ちが捨てきれないのだ。
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本作は都合よくすべてが丸く解決するようなドラマチックな展開はないが、自分の足で一歩ずつ前に進もうとする朋の姿が深く心に残るだろう。不器用すぎる家族がたどった道の果てにはどんな景色が広がっているのか。ぜひ最後まで見届けてほしい。
文=つぼ子
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