
ユイの妹・リカは、幼いころから容姿をほめられ、ちやほやされてきた。次第に「自分は姉よりかわいくて、価値のある存在だ」と考えるようになる。そしてユイのものを横取りするなど、なにかと姉に嫌がらせをするように。リカの言動はどんどんエスカレートし、ついには姉の彼氏にもちょっかいをかけ始めて……。
そんな姉妹の物語である『なんでも横取りする妹が嫌い』(しろみ/KADOKAWA)は、著者・しろみさんによるとほぼ実話だというから驚く。友人のユイさんから話を聞いて本作を描いたしろみさんは、リカさんとも実際に会って話を聞いたとのこと。姉に対して嫌がらせの数々をしていたリカさんは当時何を考えていたのか? 作品に込めた思いからエピソードの裏話まで、さまざまなお話を伺った。
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――リカは大学時代、複数の男性と関係を持っていたと描かれています。本作のモデルとなったリカさんの恋愛遍歴はどのようなものだったのでしょうか?
しろみさん(以下、しろみ):小学5年生頃から、彼氏が途切れることはほとんどなかったそうです。ただご本人は、「心の底から好き」と思える相手は一人もいなかったと話していました。恋愛そのものを楽しんでいたというより、心の満たされない部分を埋めるために“恋人”という存在を求め続けていたのではないかなと感じました。少しでも思い通りにならないことがあったり、期待と違うと感じたりすると別れを選び、また次の相手を探す。その繰り返しだったそうです。
――作中でリカは関係を持っていた複数の男性を“手下”と呼んでいます。実際どのような関係だったのでしょうか?
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しろみ:文字通り手下や下僕のような存在だったそうです。落ち込んだときは慰めてもらい、ときにはパシリのように動いて身の回りのお世話をしてもらい……。本当に家来のように扱っていたそうです。
――リカの不倫を知ったユイは、実家に連絡することもなく、静観することを選びます。この時のユイさんの心情はどのようなものだったのでしょうか?
しろみ:ユイさんは「今の私には家庭があり、とても幸せに暮らしている。だからこそ、今さら妹のことで自分の大切な時間や心をすり減らしたくない」と話していました。そして、「妹は家族ではあるけれど、以前のような『妹』という存在ではない。今さら私が更生させようとする義理もないし、私の役目ではない」ともおっしゃっていました。私はそれを聞いて、冷たいとは思いませんでした。むしろ、長い年月苦しみ続けた末に、自分自身の幸せを守るためにたどり着いた、一つの答えだったのではないかと感じています。
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――リカの不倫相手もかなり厄介な人物として描かれています。実際、リカさんのご両親は不倫相手に対して怒りを抱いてはいなかったのでしょうか?
しろみ:もちろん、ご両親も不倫相手の男性に対して思うところはたくさんあったそうです。ただ、それ以上に「まず叱るべきなのは自分たちの娘だ」というお気持ちが強かったと伺いました。ご両親はリカさんに対して、「相手に家庭があると分かっていながら関係を続けたことは、絶対にしてはいけないことだ」と厳しく叱責されたそうです。もちろん、不倫は一人では成立しませんし、相手の男性にも責任があります。しかし、ご両親は相手を責める前に、「自分たちの娘が人を傷つける側になってしまった」という事実と向き合い、まずはリカさん自身にその責任を自覚してほしいと考えていたのだと思います。
取材・文=原智香
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