
ユイの妹・リカは、幼いころから容姿をほめられ、ちやほやされてきた。次第に「自分は姉よりかわいくて、価値のある存在だ」と考えるようになる。そしてユイのものを横取りするなど、なにかと姉に嫌がらせをするように。リカの言動はどんどんエスカレートし、ついには姉の彼氏にもちょっかいをかけ始めて……。
そんな姉妹の物語である『なんでも横取りする妹が嫌い』(しろみ/KADOKAWA)は、著者・しろみさんによるとほぼ実話だというから驚く。友人のユイさんから話を聞いて本作を描いたしろみさんは、リカさんとも実際に会って話を聞いたとのこと。姉に対して嫌がらせの数々をしていたリカさんは当時何を考えていたのか? 作品に込めた思いからエピソードの裏話まで、さまざまなお話を伺った。
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――祖母に香水を買ってもらった際の、妹・リカの「かわいい女の子がつけるものなんだよ?笑」というセリフが衝撃的でした。
しろみさん(以下、しろみ):この話をユイさんから聞いたとき、私もかなり衝撃を受けました。幼いながらに、お姉さんを完全にライバルや敵のように意識していることが伝わってきますよね。一方で、リカさん自身は周囲から「かわいい」と言われることも多かったとのことなのに、どうしてここまでお姉さんに強いコンプレックスを抱いているのだろうと不思議にも感じました。
――リカがユイのノートに“ブス”と書いたことが判明し、父親から厳しく叱られる場面があります。改めて、モデルとなったリカさんとご両親の関係はどのようなものだったのでしょうか。
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しろみ:リカさんのご両親は、叱るべきときにはきちんと叱り、良いことをしたときにはしっかり褒める、とても温かいご両親という印象でした。私自身も、お話を伺う中で「理想的な親御さんだな」と感じていました。一方で、ご両親も当時はリカさんへの対応にかなり苦労されていたそうです。印象的だったのは、ユイさんが修学旅行などで家を空け、ご両親とリカさんの3人で過ごすときは、普段よりも落ち着いていたというお話でした。リカさんはご両親を困らせたいというわけではなく、お姉さんであるユイさんを強く意識し、敵対心や対抗心を抱いて生活していた部分が大きかったのではないか、と感じています。
――保護者の視点で読むと、「自分の子がリカのような性格になってしまったらどうしよう」と考えてしまいました。しろみさんが親の立場になったらどうすると思いますか?
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しろみ:我が子がリカのような行動を繰り返していたら私自身もきっと手を焼いてしまうと思いますが、まずは「その行動は相手を傷つけてしまうことだからしてはいけないことだよ」と伝えますね。そして、「もし自分が同じことをされたらどんな気持ちになるかな?」と、一緒に相手の気持ちを考える時間を作ります。ただ、それと同じくらい大切なのは「どうしてそんな行動を取ってしまったの?」という理由を聞くことだと思うんです。もちろん、子どもがすぐに本音を話してくれるとは限りませんし、一度話しただけで解決するようなことでもないと思います。それでも、親子がお互いに楽しく安心して生活していけるように、私だったら子どもの気持ちを聞きながら話し合う機会を設けたいと思います。
もちろんこれが正解というわけではありません。ただユイさんのお話を聞く限りでは、ご両親はリカさんに注意をする場面が多かったようです。もう少し別のアプローチもしていたら何か違っていたのかもしれません。
取材・文=原智香
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