ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年8月号からの転載です。



〈ヤングケアラーはえらい、親孝行だって称賛、あるいはヤングケアラーはかわいそうだって物語に、ヤングケアラーに同情して救った気になってんじゃねえよって物語をぶつける〉〈読者の数が増えれば増えるほど、社会の物語をカウンターの物語が塗りつぶしていく〉――。


作中で、この言葉を放つ、女性新人作家から、物語は立ちあがっていったという。


「読んでいくうち、自身の介護経験を軸に書いた小説でデビューした日比谷ヒビというその作家に、私自身を重ねる方もいらっしゃるのではないかと思います。『救われてんじゃねえよ』の刊行後、感想をいただいたり、取材を受けるなかで考えるようになっていったのは、自分の当事者性みたいなもの。そして当事者として小説を書くことを、小説で表現してみたいと思った。そのとき、この人物が立ち現れてきたんです」


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