※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年8月号からの転載です。

普段からエッセイをよく読むという山下さん。中でも俳優・タレントの著書は、興味深いと話す。彼女が選んだ一冊は、吉高由里子さんの 『 しらふ 』。
「最近の吉高さんは、これまで以上に命を燃やすようなお芝居をされています。本当はどんな方なのか知りたくて、この本を読みました。エッセイって、著者の覚悟を感じますよね。自分の考えをまとめた本を買ってもらうわけですから。自分の言葉には責任が伴うからこそ、人間性もあらわになります。この本も、吉高さんの人間力が全開でした」
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本書を通して感じたのは、チャーミングで嘘のない人柄。
「食べることが大好きなのがかわいくて。お芝居の怖さも語られていますが、どの役も乗りこなす強さを感じました。私はこの仕事に一番大事なのは運だと思っていて。吉高さんは人にも物にも優しく、何事も新鮮に捉える感性があるから、運が舞い込んでくるんだと思います」
山下さん自身、文章を書くことに興味があるそう。
「気分が落ち込んで眠れない夜に、文章に吐き出して、朝に消して……を繰り返しています。文章にすると、もやもやした心が整理されて冷静になれるんです。いつか、誰かを救う文章を書いてみたいです」
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山下さんは現在、舞台『成瀬は天下を取りにいく』に出演中。我が道を突き進む成瀬あかり役を演じている。
「原作を読み、成瀬役を誰かに渡したくないと思いました。知らず知らずのうちに成瀬が周囲の人たちを救っていくお話なので、私もこの舞台を通して誰かを救えたら」
原作には「魅力的な言葉が詰まっている」と語る山下さん。
「何でもできる天才肌の成瀬の『たくさん種をまいて、ひとつでも花が咲けばいい』という言葉に共感しました。私には突出した能力はないですが、俳優やモデルなどいろいろやらせていただくことで誰かに必要とされたら嬉しいです」
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この作品が多くの読者の支持を集めた理由については、こう分析する。
「中高生の頃って、怖いもの知らずで最強でしたよね。あの輝かしい日々を思い出し、青春時代に戻れるのが魅力なのかもしれません」
山下さんは、楽しみながらこの役に向き合っている。
「学生時代から人に迷惑をかけないよう、世間体を気にしながら生きてきました。でも、成瀬は周りを気にせず、自分に嘘をつかずに生きています。私も成瀬を演じることで、爽快感を味わいたいと思います」
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取材・文:野本由起 写真:TOWA
ヘアメイク:miura(JOUER) スタイリング:ゴウダアツコ
やました・みづき●1999年、東京都生まれ。乃木坂46の中心メンバーとして活躍し、2024年に卒業。主な出演作は、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、ドラマ『Eye Love You』、映画『愚か者の身分』など。7月17日には、出演映画『キングダム 魂の決戦』が公開予定。また、女性ファッション誌『CanCam』専属モデル、NHK Eテレ「沼にハマってきいてみた」のMCも務めている。

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『しらふ』
(吉高由里子/ワニブックス) 2420円(税込)
「喰」「演」「夢」「恋」など、漢字1文字から連想される思いをまとめた“吉高由里子のひとりごと”54編。独特の感性と思考にひたり、飾らない言葉に触れるたびに、著者の不思議な魅力にはまっていく。同級生でもあるONE OK ROCK Toruとの対談、ニュージーランドの直筆旅日記も収録。

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舞台『成瀬は天下を取りにいく』
原作:宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』(ともに新潮文庫刊) 脚本・演出:G2 出演:山下美月、藤野涼子、山﨑静代、ISSEI、天宮 良、田畑智子ほか 東京公演:7月12日まで公演中(サンシャイン劇場)、京都、滋賀公演あり
●中学2年生の成瀬あかりは、閉店を間近に控えた西武大津店に毎日通い、中継に映ると言い出す。原作小説2作の内容をもとに構成したオリジナル脚本で、最高の主人公に舞台で会える!
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