
誰の予定も気にせず、好きなときに好きなことができる「おひとりさま生活」はとても楽チンだ。だがその自由の裏には、ひとりでいることに寂しさを感じたりすることもあって……。『気づいたら独身のプロでした』(カマタミワ/KADOKAWA)は、ひとり暮らし歴20年(発刊当時)のベテランおひとりさま・カマタミワ氏が、自身の「おひとりさま生活の日常」をユーモアを交えながら描いた作品だ。
カマタ氏が綴る日々の出来事は、ひとり暮らしを経験した人なら思わず膝を打つエピソードばかりだ。フルフェイスの美容パック中に宅配便が届いたり、酷使しすぎたゴム手袋から思わぬ傷を負ったり、冷蔵庫の残り物で適当に作ったご飯が想像以上のおいしさに仕上がり、部屋でひとりしみじみと感動に浸ったり。そんな「あるある!」と思わせる日常に起きたエピソードのひとつひとつが、フルカラーで描かれた親しみやすいタッチでコミカルに綴られていく。
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とはいえそんなベテランおひとりさまであっても、当然ながらいつも楽しいことばかりではない。レシピを見ながら作ったのに玉子焼きを豪快に失敗して自信をなくすといったことから、大好物のすじこを食べたあとに体の異変を感じたり、20代の頃は紅茶が大好きだったのに今好んで飲んでいるのは白湯だったりと、アラフォーとなったことで感じる体質の変化などで「あらがえない老い」に絶望することもあるのだ。そんなエピソードにも共感する人は多いことだろう。
そんなちょっとしんみりするようなことも、おひとりさまの日常の一部ということで受け入れながら笑いに昇華させているのはさすがとしか言いようがない。そしてどんな些細なことでもネタにしてしまうカマタ氏の目線は、考え方や工夫次第で暮らしをもっと楽しくできることを教えてくれるのだ。各エピソードで繰り広げられる「ひとりツッコミ生活」は読み進めるほどにクセになり、心の余裕と元気をくれるはずだ。
文=つぼ子
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