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羊をめぐる冒険 (上) 村上春樹 / 講談社


村上春樹の小説は「食」に対して、きわめて執拗なところがある。料理や食事の描写は空腹を満たす行為以上の意味をもつと考えるべきだろう。


とくに『羊をめぐる冒険』(講談社)では、劇的な展開や不思議な出来事の合間に、料理をして、あるいはお店へ入って食べる行為を繰り返し書いている。



物語の発端は、友人“鼠”の失踪と、北海道で撮影した一枚の写真だ。そこに写っていた“星の印を背負った羊”を追うため、「僕」は旅に出る。その時彼は離婚と友人との仕事の喪失という孤独な転機を迎えていた。ただ彼には“耳の美しい”ガールフレンドがいて、この奇妙な旅に同行する。


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