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歌姫を殺したい 来述 延:著、熊野だう:イラスト/電撃文庫 KADOKAWA


創作とは生命を削る行為に等しい。文字通り心血を注いで、作者が抱え込んでいた想いや情熱を発露させ、完成へ導くものであるからだ。一般的な仕事であれば、ワークライフバランスというお題目で仕事と余暇を区別し、どちらも精神に良い環境になるよう心がけるべきだろう。ただ、創作ともなればそうもいかない。面白い作品や表現の追求のためには睡眠時間や余暇の時間も惜しんで没頭し、時には大人気作に嫉妬して、その想いを作品にぶつける、なんてケースも往々にして存在するであろうから……。


そんなことを感じさせたのは、第32回電撃小説大賞《金賞》受賞作として刊行された『歌姫を殺したい』(来述 延:著、熊野だう:イラスト/電撃文庫 KADOKAWA)が、創作と恋について描かれた青春ラブコメであったからだ。主人公の間原葵は、同い年の歌い手・ニーナの才能を妬む日々を過ごしていた。彼にはひょんなことから仲良くなっていったクラスメイト・蜷川真衣がいたが、ある日彼女からニーナの正体が自分だと知らされる。友達以上恋人未満な女の子が、嫉妬している歌姫。想いがさらに鬱屈する中、葵は趣味の作曲に対する想いが揺らいでいく。


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