
「たった一杯だけ」と出勤前に手を出したカルーアミルク。その一杯からアルコール依存症になり、苦しんだ日々を綴ったのが『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』(かどなしまる/KADOKAWA)だ。著者・かどなしまるさんが、会社の人間関係のストレスをきっかけにアルコール依存症となり、その回復までを描いたコミックエッセイである。駅のトイレなどでお酒を飲んでからの出勤が常習化。仕事にも双子の妹との生活にも支障が出ているのに、それでもお酒がやめられない……。そんな明らかに異常だった日々と、回復するまでの道のりが生々しく語られている。かどなしまるさんに、アルコール依存症だった当時の心境や、振り返ることで見えてきた根本的な原因、自身の性格について語ってもらった。
※本作品はアルコール依存症に関する内容となっており、作品は一部センシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
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――アルコール依存症と診断を受ける前は、どのくらいお酒を飲んでいましたか?
かどなしまる(以下、かどなし):仕事終わりは、ほぼ毎日飲んでいたと思います。量としてはアルコール度数9%程度の発泡酒をまず2本。まだ酔っていたい気分の時は追加で1〜2本です。どんなに面倒でも買いに行けちゃうんですよね。
――どんなときに飲んでいたのでしょうか?
かどなし:現実が重く感じたときです。「他人からどう思われているんだろう」という意識を捨てたいときなどにお酒の力を借りていました。当時は頭の中で常に「今の自分ではダメだ」「もっと違う自分にならなきゃ」と自分を責め続けていて。それを改善するための行動を起こすだけのエネルギーがない。それでさらに「自分はダメだ」という気持ちが積み重なっていく負のループでした。そんな状態から逃げたくてお酒を飲んでいたし、飲めば“動ける自分”になれるんじゃないかという期待もありました。酔っぱらった自分のほうが、世界を楽しめる気がしていたんです。最近「風呂キャンセル界隈」という言葉がありますが、まさにああいう感覚で、日常のひとつひとつ全部が重かったんです。
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――「楽しくお酒を飲む」という感覚はそもそもなかったんでしょうか?
かどなし:いや、もともとは楽しいから飲んでいました。友人との飲み会も好きでしたし、お酒自体を楽しいものだと感じていた部分もあります。ただ依存症になってからは「お酒が好きだった」と口にすることに罪悪感があって。そう思ってはいけないような、“罪人”みたいな気持ちになることがあるんです。いまだにここは、自分の中でも触れられると痛い、心の柔らかい部分ですね。
取材・文=原智香
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