
見た目は少しあやしいのに、中身は驚くほどピュア。そんな極上のギャップに胸をつかまれる人が続出しているのが、『あやしい癒しの八雲さん』(綾野六師/KADOKAWA)だ。遊んでそうに見えるお兄さん・八雲と、彼に憧れを寄せる比奈の恋模様を描いたラブコメディである。
ぱっと見は軽そうで、そしてどこか近寄りがたい雰囲気をまとっている八雲。しかし、比奈が関わるうちに見えてきたのは、彼が驚くほど誠実で、照れ屋で、不器用ということだった。これまでは、八雲と比奈がお互いに惹かれ合い、ふたりの距離がゆっくりと縮まっていく様子が、美麗な作画で描かれてきた。
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そして2026年6月11日に発売された第3巻では、ついに恋人同士になったふたりの甘すぎる日々が幕を開ける。憧れのお兄さんが自分の恋人になったという事実に、比奈はドキドキしっぱなし。一方の八雲も、見た目に反して余裕がない。特別な関係になったのに、ふたりは相変わらず初々しいやり取りをして、近づくたびにドギマギするのだ。
印象的なのは、ふたりで行った買い物中に、比奈が会社の先輩と遭遇する場面だ。八雲の見た目もあって、先輩は比奈がナンパされているのではないかと勘違いしてしまう。そこで比奈は、「この人私の彼氏です!」と言い切るのだ。そう口にした比奈本人も、言われた八雲も、ふたりとも顔は真っ赤に。恋が実った喜びと、恋人になったばかりの高揚している気持ちと気恥ずかしさが、ひとコマごとに画面から溢れ出す。
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ただし3巻は甘いだけでは終わらない。幸せな恋人関係が始まった一方で、比奈をつけ狙うストーカーの影が忍び寄るのだ。普段は照れてばかりの八雲が、いざというときにどんな表情と姿を見せるのか。甘さの中に少し不穏な気配が差し込むことで、物語に絶妙な緩急が生まれている。
さらに、描き下ろし長編ではニヤニヤが止まらないお泊まりでのパジャマパーティーも収録されているので必見だ。比奈と八雲のギャップにときめきながら、この恋がどんな結末を迎えるのか、最後まで見守りたい作品だ。
文=ゆくり
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