
快楽の連鎖。終わらない恍惚の時間──
誰もがそれに憧れるのではないでしょうか。
人は快感を得るためならいくらでも貪欲になれる生き物です。
ある者は酒に、ある者は欲望に。
違法薬物に。犯罪行為に。ハイウェイに。スピリチュアルに。
快楽を得るためには富が必要だ、金があれば酒も女もスポーツカーも何でも手に入る。産油国の王子はフェラーリを拾った自転車のように乗り捨て、毎晩奴隷を並べては残虐なショーを楽しんでいるとか。

快楽の連鎖。終わらない恍惚の時間──
誰もがそれに憧れるのではないでしょうか。
人は快感を得るためならいくらでも貪欲になれる生き物です。
ある者は酒に、ある者は欲望に。
違法薬物に。犯罪行為に。ハイウェイに。スピリチュアルに。
快楽を得るためには富が必要だ、金があれば酒も女もスポーツカーも何でも手に入る。産油国の王子はフェラーリを拾った自転車のように乗り捨て、毎晩奴隷を並べては残虐なショーを楽しんでいるとか。
クソッ、羨ましいぜ。俺も金があれば快楽の海に溺れちまうのに。
そう思ったそこの貴方、大丈夫です。
富がなくとも楽しめる至高の快楽コンテンツを本稿ではご紹介します。
それは「否定」です。
否定や反論は貧富の差にかかわらず誰でも楽しめる無料の極上快楽コンテンツ。
人の意見を否定する時、凄まじい快楽物質が脳内を駆け巡り、その快感は一度味わったらもうやみつき。
どんな恋愛も成功も薬物も娼婦も「否定」には敵わない。
これまで自分が実際に観測した範囲では地位と名声、巨万の富を得た経営者が最初に始めるのは■■■と■■■■■(さすがに書けない)でほぼ間違いない。
ところがこれも飽きてくる、結局金で買った偽物の快楽では満たされないんだ。
そこで富豪達は何を始めるかというと、役員幹部や取引先の重役、贔屓にしている役者やタレント、芸術家を並べてクローズドな飲み会を開くのだ。
え?でもそれって最後は結局■■■や■■■■■になるんでしょ?
ところがぎっちょん、ここには娼婦も売人も港区女子もモデルくずれもヤギもいない。
本当にクリーンな飲み会なのだ。
主催者たる富豪は豪華絢爛な酒肴を持って客人をもてなす。
皆気持ちよく酒を飲み、こんな素敵な会に呼んで頂いてありがとうございます富豪様、となったところで宴が始まる。
富豪は唐突に客人に問う。
「本当のアートって、何だと思う?」
もしくは
「いい演技の条件は?」
「日本が世界に果たすべき責任は?」
「次のプリキュアって何かな?」
2択になっていなければ、質問はなんだって構わない。
客人は答えるだろう。
「はい、本当のアートとは心を映し出したような美だと思います」
富豪の返答はこうだ。
「それは違う!そんなものはアートではない。隣席の客人、貴方はどう思う?」
隣席は答える。
「本当のアートとは時代と世に評価されたもの、例えばモナ・リザです。」
「それは違う!隣の者!」
「道に咲く可憐な野花です」
「それも違う!」
「人の感情を揺さぶる音楽です」
「違う!」
「伝統芸能です」
「違う!」
「スカバンドです」
「違!」
何を答えようが正解はない、否定の快楽を得るのが目的なのだから。
ひとしきり立場上反論できない者たちの答えを否定したあと、正解を教えてくれるでもなく次のお題目が始まる。
「世界で一番おいしい食べ物って何だと思う——?」
似たようなコンテンツとして説教も人気であるが、これも否定に内包されているものとして本稿では取り扱うよ。
説教コンテンツとして近年人気なのは何といっても非暴力ブレイキングダウン「令和の虎」が筆頭に上がる。
弱者が富豪達にコテンパンに否定され説教されるのを楽しむドスケベポルノ映像である。
実際は事業支援と社会貢献を目的としているが、再生数が伸びて切り抜きが回ってくるのは皆否定と説教なのだから人間ってすごくいいよね。
人を並べて意見言わせて全部否定するやつも、非暴力ブレイキングダウンも全部お金持ち向けじゃんか、富がない人はどうしらいいんだよゥ。
そんな声が聞えてくるぜ、大丈夫です。
我々小市民のためにインターネットが存在しています。
SNSで「ラーメンおいしかった」という投稿に「ラーメンとか味音痴すぎるww」と否定リプ送るだけで気持ちよくなれます。
芸能人や政治家、アイドルにクソリプ飛ばすのもいいですね。
とにかく否定! 困ったらまず否定! 挨拶代わりに否定するが吉です。
会議でアイデアを述べるよりとりあえず誰かのそれを否定しておけば頭が良さそうに見えるし、評価されそうなアレと同じですね。
早起きは三文の徳、否定は三両の涜。
本稿ではこれまで否定する人を徹底的に否定してきました。
これが否定の連鎖、チェイン・エクスタシイの正体です。
今これを書いていてめちゃくちゃ気持ちいい。
ああ~気持ちがええ。皆もやってみてね。
ところで君ってさ、何でも否定から入るよね。
「そんなことないよ!」